第1話 プロローグ
家に帰ると、家が燃えていた。
快晴という平和そうな背景に似合わない程、炎がユラユラと揺らめき、煙がモウモウと顔を出す。
そんな景色を、赤いコーンと黄色と黒色のテープの向こう側からぼんやりと眺めていた。
あの中で両親が死んだらしい。
僕は学校だったけれど、母さんは在宅ワーク、父さんはたまたま仕事が休みだった。
その事を知らされると、沢山の人が僕を哀れんだ目で見た。
でも、何も悲しくなかった。
両親が死んでも「どうでもいい。」としか言えない。
それを聞いた人達の表情や言ったことは何も覚えていない。
それでさえもどうでもいいと思った。
面白い事も、楽しい事も何もない。
そんな僕の目をみんな「ガラスの目」と呼んだ。
僕も鏡で自分の目を見た時そう思った。
空っぽすぎる抜け殻状態の僕は何も望まない。
俺は望んでない・・・ハズだった。
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