第16話


『 地獄がはじまった。』


その一言から始まった日記は、よく分からないもののように感じた。

続きはこうだった。


『始まりはいつも通りの放課後だった。

僕はいつものように教室で少し勉強をして帰ろうとしていた時だった。

ある人に声をかけられた。

「もし良かたら今度勉強教えてくれない?」

別に彼女のことは嫌いではなかったし僕は「いいよ。」とだけ言った。

ただ少し気になったことがあった。

なぜ彼女は教室の隅で勉強しているだけの僕に声をかけたのだろうか。』


日記のように見えかそれはただのメモのようだった。

まだただの日常を書いたようなものだが、これから酷いものになるのだろうか。

そんなことを考えていると海月がこんなことを呟いた。


「この字どこかで見たような気がするんだけど……。」


そう言われてみるとそうかもしれない。

そして、さっき見たメモにも字が似ている気がした。


(一体どこで……?)


そんなことを考えていると小夜、蓮の2人が帰ってきた。

2人は僕たちが何かを覗いているのに気づき不思議そうに近づいて来た。

そして小夜が「どうしたの?」と聞いた。

それに対し、海月が「これ……。」とノートを差し出した。

海月がノートを差し出した時、蒼太と嬉歌が帰ってきた。

差し出されたノートを見て嬉歌が言った。


「これ、、、。優くんの字じゃない、、、?」

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