第2話
「ここは……どこ?」
そう呟いて、さっきも言ったような気がするな、と思った。
でもなんでだ?
さっきまで眠っていたはずなのに。
それよりここはどこだろう。
さっきまで変な空間にいて……その後は?
みんなは大丈夫か?
不安がよぎる。
怖い、どうしよう。
1人でいるとネガティブなことばかり考えてしまう……。
そんなことを考えている時、声をかけられた。
「花音?大丈夫?!」
聞いたことある声だった。
というより、毎日のように聞いているあの声だ。
僕は気がついたらこう呟いた。
「海月?海月なの?」
と。
その後、海月はゆっくり頷いた。
それを見たとき、とても安心した。
涙がこぼれそうだった。
だが、それを必死にこらえ、いつものように笑った。
そしてこう言う。
「僕は無事だよ!海月は?みんなは?他のみんなは無事なの?」
それを聞いて向こうも安心したようだった。
ほっとした顔をした。
しかし、それを隠すようにすぐにこう言った。
「俺は大丈夫。他の人がどこにいるかは……まだ分からないけど……。」
僕は「よかった……。」と言った。
そして少し気が抜けてしまったようでたったあと、少しふらついてしまった。
「大丈夫?少し休もうか?」
海月は僕を支えながらそう言ってくれた。
僕は心配をかけたくないので「大丈夫。」とだけ言った。
それが今の僕の精一杯だった。
彼は「そっか。」と言ってそれ以上の詮索してこなかった。
「みんな探しに行こう。」
僕はそう言った。
海月は驚いた顔をしたが、すぐに頷いてくれた。
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