第2話中学生の頃

父親はトラック運転手で母は介護の仕事をしていた。一週間に二回くらい、子供だけで夜を過ごしていた。

母親は、夜勤の日は僕たちにカップラーメンを置いていった。

育ち盛りなのに、カップラーメンで足りる訳がない。

僕と弟は小麦粉を練り、生うどんを作ったりしていた。

貯金箱から10円玉を集め、小麦粉を買ったのだ。

時には、卵を買っていたが、小麦粉より高い。


だから、そんな食生活が身に染みているので、嫁さんが作る料理は全部美味しい。

生うどんを小麦粉から作る事をしなくていい。

弟も結婚して、同じだという。

貯金箱から小銭を出さなくても、美味しいご飯が食べられるのは、革命である。

お母さんは、社員旅行は断っていたが、一回だけ参加した。

僕達を気にしながら、旅行にいった。5000円だけ持って行った。

旅行に5000円だけとは、かわいそうだ!と、子供ながらに思ったもんだった。


その頃は祖父は亡くなっていたが、農家は続けていた。

お金にならないのに!

小学生の頃の日曜日は、田んぼが遊び場であった。

ヘビを捕まえたり、ヒルに血を吸われたり。

野生児であったが、僕の息子は都会育ちだから、僕らの遊びは理解出来ないだろう。

兎に角、食に困らない生活に幸せを感じている。

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