貯金箱から小銭を出して
羽弦トリス
第1話育ち盛りのおかず
今日は、キュウリとトマトにマヨネーズをかけて、ビールのつまみにした。
この野菜だけのつまみの時、高校生時代の晩ご飯のおかずを思い出す。
長年祖父を在宅介護して散々金を使い、また金にならない米を作ってきたので、借金こそないが、貧しい生活をしていた。
ある日の晩は、山でタケノコをとり、それをかつお節で煮ただけの食事を摂った。
そこに、田舎ならではの夜ご飯のお裾分けがあり、唐揚げが出てきて助かった事がある。
その三年前まで、祖父の在宅介護をしていて、父親はトラック運転手、母は内職をしたりしていた。祖父は入退院を繰り返した。
いつの時代でも、さつまいもは腹の足しになるおやつだった。遠足の水筒の中身は水だった。兎に角、僕ら子供らが一番しわ寄せがきた。靴はズックだったし、髪の毛は坊主。
遊びは、魚釣りか将棋だけだった。
そして、僕は親になった。嫁さんが息子の服や靴を子供が好きなモノを選ばせ、誕生日プレゼントは僕が毎年、一万円以内のモノならば買っている。
僕は小学生の頃は、貯金箱から10円玉を数えておやつを買っていた。
今、こうしてビール飲んだ後に、アイスコーヒーを飲みながら執筆している。僕は幸福になった。タバコも吸える。
絶対的な不幸はない。
昔があるから、今の生活と比べ幸福を感じる事が出来るのだ。
今回は食卓の話しでした。
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