ⅩⅣ

「お……幼馴染だから……」

 二葉は勇気を振り絞って言った。

「そ、そう……」

 唯は何もいう事はなかった。

(幼馴染ね……。漫画とかでよくあるシチュエーションね……)

「で、でも、なんでそんなこと聞いたの?」

 二葉は、本を読み続けている唯に訊いた。

「ただの興味よ。私には人の恋路はどうでもいいけど、あなたを見ていたら、早く告って付き合いなさいよ。って、感じかしら?」

「ぐはっ!」

 二葉の胸に突き刺さった。

 痛いところをついて来る唯は、二葉に対してきつく当たる。

(中学校に入って、違う小学校の人となるから緊張すると思っていたけど、思った以上にやばいよ~!)

 二葉は少し涙目になっていた。

「そんなことよりも付き合ったことがあるの?」

「えっと……」

 二葉が困った顔をすると、唯はふと思い出したかのように続けて言う。

「あ、自己紹介がまだだったわね。私は竹下唯。よろしく……」

「わ、私は……有馬二葉です……」

「そう……。あなた、一応、訊いておくけど……三つ子の三姉妹って本当?」

 二葉は自分の疑問を投げかけてみた。

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