第2話 出会い


 授業が終わり、学校を出て帰路につくレイモンド。商人の店を過ぎたくらいに、ふと声が聞こえてきた。

 

「どうしよう……、どうしたらいいのぉ~……」

 

 声がする路地裏の方を見ると、綺麗なブロンドの髪で清楚な服を着た少女?がいた。

 

(妖精か・・・?)

 

 サイズは人の頭くらいで、背中には純白の小さな翼があった。

 

(話に聞く妖精と羽が違うけど、あれはお伽噺だし差違はあるか。妖精だとしたら面倒なことになりそうだし、……放置で良いか)

 

 そう思い、歩き出そうとしたときバチッと目が合った。ヤバいと思ったが時既に遅し。

 

「ワタシのこと見えてる・・・?」

 

 妖精?に声を掛けられたが、レイモンドは無視して歩き出した。

 

「ねぇ、アナタ。ワタシのこと見えてるよね? さっき目が合ったよね? 何で無視するの? ねぇ、ねぇ、ねぇ?」

(ウザいな……)

 

 レイモンドはそれでも無視して歩く。

 

「ワタシ今困ってるんだけど、手伝ってくれない? このままだと大変なことになっちゃうの!」

(………………。) 

「このままじゃ、この街から愛が失くなっちゃうかも知れないのぉ!」

「愛が……失くなる?」

 

 愛が失くなると言う言葉で足を止め、聞き返してしまった。

 

「やっぱり見えてるんじゃない! 何で無視するのよっ!」

「いや、妖精の相手なんかしたらどんなイタズラされるかわかったもんじゃないだろ」

「誰が妖精よっ! あんな幼稚な奴等と一緒にしないで!

よく聞きなさい、ワタシはね愛の女神アウラ様に仕える天使の見習いよっ!」

 

 と、【見習い】と書いてある服を見せながら胸を張った。妖精以上にヤバいのに絡まれたと思うレイモンドであったが、反応してしまったので諦めて気になったことを聞いた。

 

「愛が失くなるってどういうことだ?」

「そうだ! そうなのよ! 愛の女神アウラ様が失恋して家(神界)出しちゃったの!?」

「…………は?」 

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