第16話

女達の用意してくれた料理は美味かった、こちらの世界の料理なんだろうが途中で採取したキノコや香草、魔物の肉を十分に活かしているんじゃないだろうか。

残念ながら俺は料理に然程の興味がなく、よっぽど不味くなければ腹が膨れれば満足するタイプだから食レポはできないが、これで1つの手間が省けたな。

そして風呂に入ってサッパリした俺は、明日も早いから休む様に皆んなに伝えて外に出た。


ザンギャックの気配がしたからだ。


山小屋を出て少し歩くとザンギャックが姿を現し俺の前に跪く「主の魔力を感じたので馳せ参じました」と、コイツはこんな喋り方だったか?と思いもしたが、気にせずに彼を労い、俺がギッシュ公爵領で奴隷となっていた女達を保護した事、この場所で女達を鍛えてやるつもりだと言う事を説明すると、「流石は主!私も、どこまでも付いていきますぞ!」と感動したのか、眼を赤く光らせながら言ってきた。


俺は「大した事はしていない」とザンギャックに言ったのだが、俺の話を聞いてなかったかの様にウンウン頷きながら1人でブツブツ喋っていた。

少し落ち着いてから彼の最近の修行成果を聞かせてもらった。


ザンギャックは頑張っている様で、山の麓にある森で魔物を倒しては死霊魔法で配下にしており、今では1000体を超すらしい。

そんな彼に俺は「魔物だけでは出来る事が限られるだろうからと」無限収納に入っている氷漬けの盗賊を彼に渡してあげた。


俺が魔法で氷を溶かしてあげ、彼が魔法でドンドンアンデッドにしていく。

結局全部で100人ぐらいの盗賊がアンデッドとして配下になり喜んでいた。


ザンギャックには引き続き修行を続ける様に伝え、1年後に俺が迎えに来るまで励む様に言っておいた。


女達を鍛え終えれば次に目指すのは魔族領になるので、忙しくなりそうだからだ。


そうして彼はアンデッドとなった盗賊達を連れて山を降りて行った。


俺は彼を見送りながら明日からの鍛錬を考えて密かに笑うのであった。



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