第13話

近くにあった山の麓に転移して隠れるのに丁度良さそうな洞窟を発見した。


洞窟内を魔法で綺麗に掃除して、入り口が外から分からない様に偽装魔法を掛けておき奴隷達を起こしていく。

最初は驚かれたが、俺の容姿を見て安心したのかすぐに落ち着いてくれた。

「まぁ俺も魔族だし、そんなもんか」と思いながら奴隷達に保護しに来た事情を説明した。


泣きじゃくっている者や助けられて感謝する者、ただ呆然とする者と色々いたが、今日は気分的に疲れたので詳しい話は明日にする事にした。

念の為、他に捕まってる奴隷がいないか尋ねてみたが、どうやらタイミングが良かったらしく全員保護できてたらしい。

ただ、後でコッソリ迎賓館の様子は確認しておこうと思っている。


ギッシュのおっさんの悔しがる顔も見ておきたいしな(笑)



奴隷達が不自由なく過ごせる様にと洞窟内を改造していった。

正にチートオブチートだ、快適な部屋を作り食べ物を取り出し料理を振舞ったり、体調や精神にがおかしくなっている者には魔法で治してみたりと、何かと忙しかったが充実した時間だった。

主に俺の心が安定した瞬間だったので、保護できて本当に良かった。


そして俺は奴隷達を洞窟内に残し、念の為に結界魔法を施してから迎賓館の様子を見に行くのであった。


迎賓館前には100人程の警備兵が揃って立っていた、周囲にはもっと多くの兵が見回りをしており厳戒態勢の様だ。

俺は気配を消して素早く中に潜入し、直感に従っては場所を移動して魔法を探知する魔道具らしき物を回収していった。


「もはや何でもありのスキルだな」と今更ながらに考えながら、ギッシュのおっさんの気配がある部屋へ侵入したのだが・・・。


部屋の中ではギッシュのおっさんが喚き散らしながら「ギャーギャー」叫んで物を壊してと大興奮していた。


それを見た俺は気分がスッキリとしたので、この場でやりたい事もやったし帰ってひと眠りしようと奴隷が居る洞窟に戻るのであった。






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