第12話
俺はギッシュ公爵の領地に着いた。
今回の作戦は如何に見つからずに任務を遂行できるかなのだが、そこはチート全開の俺である、透明化の魔法を使ったうえで気配を遮断すればアッと言う間に潜入成功。
そしていつもの情報収集だ、スラムっぽい場所を練り歩き悪者顔をした奴等を片っ端から捕獲しては情報を聞き出す。
突然大量の人が消えたら流石にスラムでも目立つだろうから情報を取り終えた奴等は魔法で俺の記憶を消して適当な路地に置いてきた。
俺が今回やろうとしているのは、奴隷になっている魔族の保護が目的だ。
ギッシュのおっさんは公爵という偉い立場と言う事もあって、奴隷達は1か所で管理して情報が漏れない様に徹底してるみたいだった。
信仰心の厚い貴族達は「魔族は全て滅ぼすべし!」て感じの奴等ばかりで、いくら見眼麗しい美女でも自分の奴隷にしたいなんてヤツは少ないらしい。
しかも奴隷を欲しがる貴族なんかも、自分の領地じゃ体裁が悪いからとギッシュのおっさんに賄賂を渡してこの街だけで楽しんでるそうだ。
俺としては色んな領地に行っては保護してを繰り返さずに済むので助かるんだが、まだ日本の感覚で物事を考えてしまうから腹が立つのを抑えられないな。
俺は気持ちを切り替えて目的の場所へ移動するのであった。
奴隷達が捕らえられている場所は立派な建物だった。
日本で言うと迎賓館みたいな洋風の建物で、レンガ作りの外観もあって雰囲気もいい。
そんな建物の中に奴隷達がいるんだから、「パッと見ただけでは分からないだろうなぁ」なんて呟いてしまう。
さっさと終わらせるべく、俺は建物の中に侵入して人の気配を探る。
魔法を使って探しても良いんだが、俺の勘が使うなと言っている。
恐らくは魔法を探知する仕掛けか何かだろうと思い念の為に透明化の魔法も解いておいた。
気配を消し素早く動くだけで誰にも見つかる事もなく奴隷達のいる部屋に着いた、中には綺麗に着飾った魔族の女達が50人程囚われていた。
下手に騒がれると面倒なので奴隷達を魔法で眠らせると大きな音が鳴った。
「ビーッ ビーッ」と思った通り魔法に反応があったので、俺は創造スキルで集団転移魔法を作って奴隷達全員を連れて移動したのである。
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