第11話

ザンギャックは「ポカーン」としてたが急に我に返り「私で良いのですか?」と聞いてきた。


もちろん俺の答えは「イエス」だった。


その言葉に歓喜に震えたザンギャックは何故か分からんが絶対の忠誠を誓ったのである。


しかしザンギャックはまだ甦ったばかりのアンデッドだ。

レベルも技術も無いだろうからと、俺は1年間の修行を言い渡した。


俺がこの世界で最初に降り立った山に連れて行き、独り立ちするまでレベル上げを手伝ってスキルの使い方から魔法の修行もした。


アンデッドのザンギャックが悲鳴を上げる程の荒行だったらしく、効果は抜群だった。

授けられてもいないスキル「教導」まで手に入ってしまったのだから。


ちなみに、この教導スキルは文字通り教え導く行為に多大な恩恵があり、武器や体術を身に付けた動ける系のアンデッドを生み出してしまったのだから可能性は計りしれないだろう。


元々、教職に就いていた俺は「人に教える事が好きだったんだろうなぁ」と思い返したりもするのであった。


そして、俺は密かに計画を練り直していた。


密かにも何も1人で考え動いてるんだから誰も知らないんだが、魔族領に行く前に一仕事しておこうかと思っていたのだ。


ギッシュのおっさんはザンギャックに任せるとしても、「人族領には1度行っておきたいしなぁ」っと、「他の貴族の情報収集もしときたいし、何より人族の強さも把握しとかないと魔王軍の立て直しなんかできそうにないんだよなぁ」


後は見込みのありそうなヤツがいれば・・・


「フフフッ」


意味あり気に笑う俺を見てザンギャックは目を見張るかの様に目を赤く輝かせていた。

「コイツはアンデッドの癖して喜怒哀楽が分かるのが不思議だな」


そして俺は向かうのである、ギッシュ公爵領に。


「待ってろよ、おっさん!!」


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