第9話

「あちゃー」


今の俺にピッタリの言葉である。


ザンギャックに会いに別の街に来た俺は、道中で倒した魔物を売りにギルドに行ったんだが、その時に聞いた情報がコレ。


「ザンギャック死す」


急いで来てれば何とかなったんだが、死んでしまったんならしょうがないな。


とりあえず魔物を売ってギルドで食事をすました俺は、ザンギャックが本当に死んだか確認する為に領主の館に行った。


普通に行っても相手をされないだろうから透明化の魔法を使い館に侵入してみた。


侍従と言うのだろうか、館の人達は忙しそうにしていたので1番偉そうな執事みたいなヤツをとっ捕まえてザンギャックにご対面・・・。


「やっぱり死んでた」


捕まえたヤツは侍従長だったらしく詳しい話を聞くと、昨夜ザンギャックの部屋に賊が侵入し首を切られ殺されたらしい。


しかも屋敷の人間は全員眠らされていたらしく、今朝方になって目覚めた者達がザンギャックを起こしに行くと部屋中血だらけで首を切られた死体があったとの事。

侵入した手口と切られた首の切断面を見るからに凄腕なんだろうが。

「気にはなるが、今は後回しだな」


とりあえず俺はザンギャックの死体が腐らない様に時空魔法と念為に防護魔法を掛けておいた。


どうやら死んだ事の確認をしに何処かの偉い貴族がやって来るらしいのだが、実験したい魔法があるのでザンギャックの死体は綺麗な状態で確保しておきたい。

近隣の貴族らしいから明日にはやって来れるらしいし、確認が終われば死体を回収しようと思い俺はそれを待つ事にした。


そして次の日、偉そうな貴族がやってきた。

脂ギッシュな小太りのおっさんだ、特別に何かする訳でもなく遺体を確認したおっさんはブツブツ言いながら帰っていった。


「葬式的な事はしないのだろうか?」


そう俺は思いながらザンギャックの遺体の側に行き、無限収納に入れた。


流石に遺体が無いのはマズいだろうと思い、精巧な偽の死体を魔法で作り、代わりに置いて館から出たのである。


その夜に俺は近くの森にいた、目の前にはザンギャックの遺体があり修復を試みた。

頭と胴体が繋がり次に蘇生を試みたのだが失敗に終わった、どうやら死後すぐじゃないと蘇生はできないらしい。


しょうがないので死霊魔法を使いアンデッドとして蘇らせたのだが、意外と流暢に喋れるらしい。

これはラッキーと思いながら、どういった経緯で殺されたのか詳しく聞いてみるのであった。




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