第7話
冒険者ギルドから出た俺は人気の無い路地を歩いていた。
周囲から視線や気配を感じるが気にせず歩いていると、「やっぱりか」ガラの悪そうな奴等が数十人現れた。
これもテンプレと思いながら絡んできた男達を片っ端から気絶させ、リーダーっぽいヤツから情報収集した。
流石に街中だったので殺したりしなかったが。
俺は更なる情報収集の為に闇ギルドのあるスラム街を目指すのであった。
絡んできたリーダーの話によれば、ここいらのスラム勢力から街のトップに至るまで闇ギルドの息が掛かっているらしい。
そんな力のある奴等の根城はどんな豪邸かと思っていたのだが・・見窄らしい飲み屋だった。
赤提灯が似合いそうな見た目に「隠れ蓑的に使ってるのかな?」と思いながら入ってみると意外と繁盛していた。
なかなか活気のある店で100人位は集客できそうな広さだ。
奥には10人程が座れるだろうカウンター席があり、それ以外はテーブル席で固められていた。
客は50人位いるだろうか、皆んなテーブル席で呑みながら騒いでいるが気になる程じゃない。
カウンターには客がいなかったので、とりあえず俺は1人でカウンターに座り酒を呑む事にした。
目の前にはマスターだろうか、筋肉ゴリゴリの厳つい顔した褐色の大男が酒を作っていた。
俺に気付いた大男が声を掛けてきた。
「兄ちゃん、何にする?」
その言葉に俺はこう返した。
「この店で1番強い酒をくれ」と
大男の眉が一瞬ピクッと上がったが、すぐにアイヨッと返事が返ってきた。
大男が持ってきた酒は透明で凄くアルコール度数が高く臭いも強いが、クイッと一気に煽ってお代わりを頼むと大男は直ぐにお代わりの酒を作って持ってきて俺にこう言った。
「んで、何を聞きたい?」
どうやらスラム街で絡んできたリーダーの情報は間違ってなかったらしい、この店に来て1番強い酒を注文するのが符丁らしく、闇ギルドと接触できるらしいと聞かされたからだ。
正直「マンガみたいな条件だな」と少し感動した。
俺の勘だと「目の前の大男が実はボスってテンプレなんだろうなー」と脳内で呟くのだった。
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