第2話

どうやら気を失っていたらしい、目を開けて周りを見渡すと真っ白な空間に俺は横たわっていた。

ゆっくりと立ち上がり思い出してみる、自宅に送られて来た嫌がらせの様なハガキの参加の文字に丸をしたら光に包まれ、気付いたら謎の白い空間に居た。

「もしかして本当に異世界へ転生したのか?」

そんな突拍子も無い事を思わず呟いてしまった。

そんな俺の前に1人の男が現れ声を掛けてきた。


「ようこそ、新しき魔王くん♪」


目の前には白髪の美丈夫とでも呼べばいいのだろうか、長身で細身の全身を黒一色の衣を纏った男が話しかけてきた。

どうやらコノ男は邪神と呼ばれる神らしく、俺をこの場所に連れて来た張本人らしい。

彼の話を聞いてみると、ここは異世界の神達が住んでる場所らしく、俺が転生を願った世界の管理をする為に作られた空間との事だ。


色々と彼に質問し話をしたのだが簡単に説明するとこうだ。

地球とは違う世界を1人の神が作り、その世界では魔法やスキルが使えるファンタジー世界となっており、神々から与えられる恩恵により成長してきた世界。

初めは神々達も自分が与える恩恵により人々が新たな文明や文化を作るのを楽しんで観ていたいたらしいのだが、どうやらそれにも飽きたらしく人々を争わせる事に楽しみを覚えたらしい。

更には人以外の生命を誕生させ、世界を更に争わせ楽しむ為に神託を告げたらしいのだ。


「人以外の生命はこの世界には不要」と。


これは神々が、ただ暇だと言う理由で初められた人族とそれ以外の生命(魔族達)のどちらが勝利するのかを賭けたゲーム。


しかし最初に生まれた人族の方が圧倒的に人口が多く、更には魔法やスキルの熟練度にも長けている状態で魔族側には勝機は無く千年以上もの間、1度たりとも勝利した事がない魔族を勝たせる為に俺をスカウトしたらしい。

しかも俺を呼び出した邪神は魔族達にとっての主神となるらしく、他の神々から1度も勝てない責任として面白い世界にして楽しませられないのなら存在自体を消し去ると脅されているらしいのだ。


俺はスカウトしてくれた恩を返す為、更には自分自身の野望の為に魔王となる事を決めたのだった。

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