第4話

「都って広いんだねー!」

目をキラキラさせながら巡るすみれは幾分か幼く見える。そんなことを思っていたら、

「ねぇ、あの人たち怖い。」

「化物だ。」

などと、心無い言葉を散々かけられた。これだと、使命を全う出来るのかが心配になってくる。まぁ流石に神が何とかしてくれるだろう。そんなことを思っていると

「お前ら、少し来てもらおう。」

と、兵隊のような人達が来た。

なんか不安しかないのだが…そんな俺の気持ちも知らずにすみれが

「え!?なんでよ!意味分かんない。あなた達誰よ?」

「答えてる暇はない。早く来い。」

そろそろまずいな…と思い

「すみれ、行くぞ。ここは素直に行かないとまずい気がする」

「はーい…チェッ」

俺らが連れられた先はお城のようだ。

「国王陛下。噂のものを連れてまいりました。」

「入れ。」

単調な言葉で目の前に現れたのは多分国王陛下なんだろう。その隣には多分奥さんだから…皇后か。結構美人さんだな…そんなことを考えてたら国王が話し始めた。

「お前らは化け物だ。」

と、サラッと酷いことを言われた。俺は思わず苦笑いをした。分かりきった質問を聞く

「それはどこを見てですか?」

予想道理の答えが出た。

「お前らの表情だ。どうやったらそんな表情が出来るのかが逆に知りたい。」

「それは簡単ですよ、」

「本当か?!」

「ええ…そうですが?」

何故こんなに怖がられている表情が誰でも出来ると言ったら驚くのか分からなかった。

「実はな…」

色々長々話された。要約すると

よく当たるような皇族専用の占い師が、あと少しで滅びると言われたと。それを阻止するためには新しいことをしなくてはならない。

と言われてどうするか迷ってたと言うわけだ

(うん。さっぱりわからん)

「…というわけでお前らの表情を作るために私達は何をしたらいい。」

というわけで俺は皇族の目の前で一発芸をすることになった…正直、めっちゃ緊張した

だが結果は成功。皇族だけでなく兵隊も笑わせることもできたので一石二鳥だ。

「お前たちのお陰で国が救われるかもしれん。ありがとう。礼を言う」

「いえいえ、お気になさらず」

早くここから立ち去りたいと思っていたら

「お母様、この方たちすごいですわ!」

と元気な声が聞こえてきた。

「あら、ごきげんよう。私はレイナ。あなた達凄いわね!!不思議だわ!」

目の前には色素の薄い白色の肌に青、赤の目の女の子がいる。

(オッドアイだ〜珍しい)などと呑気なことを考えていた。そしたら国王が

「そうだ。レイナもそろそろ旅へ出たらどうだ?私達もお前くらいの年に旅をした。旅をした方が視野が広がるからな」

と、とんでもないことを言ってくれた。

「はい!そうします!」

俺が国王達に教えた笑いを既にマスターしてる…まぁ人数は多いほうがいい。これ以上面倒事に巻き込まれたくないから立ち去ろうとするもまたもや

「私達からの感謝でレイナを嫁がせよう。」

思わず立ち上がってしまった

「そうですわね!行ってみましょう!」

俺の返事も聞かぬままレイナが加わった。

俺の旅は心配だ。

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笑いのない世界でも最強お笑い芸人は笑いをつくるらしいです 薬得 @ampjd

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