第7話 [冒険者]下
「ギャオオオオオオオアオオオオアア」
「カァァァァァァァァ」
グレード・モスとブラッドが空中戦を繰り広げる。おいらはルインが逃げるように必死にズボンの裾を引っ張っていた。
「ダメだ!俺は逃げられない。時間がないんだ!赤い薬草を手に入れなければ…」
このわからずや!おいらは突っ走ろうとするルインに豆鉄砲を当てる。後ろを振り返るルイン。おいらに向かって剣を向ける。
「俺の邪魔をするなら君でも斬るよ。」
おいらの話を聞いてくれたって良いじゃないか。アイテムボックスから赤い薬草を取り出した。
「赤い薬草……なんでリスが。」
おいらは赤い薬草をルインに渡して再度ズボンの裾を引っ張った。
「赤い薬草が手に入ったならこんな所にいる必要が無い。逃げるぞ!リスさん!!。」
おいらを両手で持ち上げて森の中を駆け抜ける。嬉しそうにしてるルインを横目においらはドングリを食べる。
「リスさんありがとう。君のおかげでワンダ……いや俺とワンダを助けてくれた。ワンダは討伐依頼の最中に俺を庇って背中に大きな傷を負ってしまったんだ。直すにはどうしてもC級のポーションが必要で知り合いの錬金術師に頼んだけど、丁度在庫が切れちゃってて。俺が赤い薬草を集めるしかなくて……うっ。うっ。」
わかったから落ち着けって。な?おいらそんなにいっぺんに言われてもわからないから。見つかって良かったじゃん。ね?
「リスさん。本当にありがとう。」
ルインが泣きながらおいらに感謝を告げる。
『スキル【恩返し】を発動しました。
恩返しの効果によりスキル【錬金】を獲得しました。』
【錬金】抽出した成分を使ってポーションを作ることができる。
おいらもいつか心から思ってくれる人と出会えると良いな。お互いを守りあう。そんな関係を少しだけ羨ましく思った。そんな事言ったらブラッドに怒られるかな?
村に帰るとルインは村長にお金を渡して出て行った。意外にもルインは奥様方に人気があって"また来てね"と歓迎ムードで送り出されていた。
その頃おいらはこっぴどくチョコレートに叱られていた。一晩中、村を探し回っていたらしい。おいらを探す為、森に行くって大騒ぎしているチョコレートにマーニャが困り果てている時。おいらは丁度帰宅した。チョコレートはおいらを見つけると涙目になりながら抱きしめた。おげっ。苦しい。
そこから一週間どこに行くのにも一緒になった。困った。これじゃ自由時間がないじゃ無いか。でもまぁ。しばらくはこれでも良いかなって思う。
おいらの事を心から大切に思ってくれているのだから。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>
一ヶ月の月日が流れ一通の手紙が届いた。
[命の恩人。リス様へ]
おいらは手紙を開けて中を確認する。長々と書かれた感謝の文とワンダが治った事が書いてあった。おいらは読み終え手紙をしまう。あれ?他にも何が入ってる。取り出して確認すると、小さな木の実ヒョコっと姿を表す。
[進化の木の実]おいらはそっとアイテムボックスにしまうのであった。
〜〜〜〜〜第一章完結〜〜〜〜〜
あとがき。
うぅぅぅ。良い話やなぁ。←
おいらも人のために誰かの為に生きてみたい。
これからも楽しんで小説を書いて行くので
最後まで付き合ってくれると嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます