3日目 怠惰な休日
今日は華の金曜日。
ベッドでゴロゴロ。
配信アプリを開く。
今日は配信をしたい気分だ。
「男子高校生 聴いていきませんか?」
二人、三人と来る。
僕は三人程度の少人数配信が好きだ。
コラボ機能でおしゃべりをする。
配信といえども、僕の目的はお喋りだ。
この時間はどうも人肌が恋しくなる。
今日来てくれた子たちはすごく面白くて相性が合う。
結局時計の針がてっぺんで重なった頃から、朝日が昇る頃まで話し続けてしまった。
翌日。というか同日。
結局風呂には入らずに瞼が閉じてしまった。
朝は時計の針が再び重ならない程度の時間には起きる。
というより目が覚める。
僕は歳を重ねたジェントルマンのような体内サイクルだ。
起きたら白湯を口にする。
寝ている間に水分不足になっている体によく染みる。
お風呂に入り、ぼーっとしているうちに、昼が過ぎる。
罪悪感に苛まれて、着替えをしてカフェに行く。
勉強。
大学進学を目指す人がほとんどの僕の高校では、これからは逃れられない。
僕は定期テストの勉強にはまるっきり身が入らないのだが、受験勉強であればある程度身が入る。
参考書が好きなのだ。
参考書には、著者の先生の思いや、個性が詰まっていて面白い。
同じことを伝えるにしろ、伝わり方がまるで違う。
参考書一冊を終えた時の寂しさは、面白く無いと思いながらもワンクール見続けたアニメを見終えた時の虚無感に似ている。
日が沈み、胃袋の虫が声を上げ始めると、帰路に着く。
交通費削減のために移動手段は自転車だ。
この時期の自転車は本当に寒い。
家に着き、夕飯を食べる。
僕は最近親と顔を合わせるのが気まずい。
母と喧嘩をしてしまってからだ。
彼女と喧嘩をすると、彼女は小学生のように泣き出し、議論にならない自己主張の一点張り、僕の悪口をヨーロッパのトマト祭りで投げつけるトマトのようにぶつけてくる。
父も彼女に味方するから、僕は結局孤独になる。
だから、出来るだけ食事はさっと済ませる。
風呂に入る。
風呂で流す汗と共にストレスも流れ落ちていく。
こうして僕の怠惰な一日が終わる。
明日はもっと有意義な一日にしよう。
毎晩こう決意する。
男子高校生、本を書く。 文屋の田中。 @bunyanotanaka
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