ロードだローラー

    ♪てろれろーん♫ 入店 


ゴゴゴゴゴゴ……

『貴様!見ているなッ?!』


 ––– 早速嫌な予感。


『早く持って来いッ!!スチュワーデスがファースト・クラスの客に酒とキャビアをサービスするようになッ』


 ––– 督促半端ねぇ! 


「このカルビ弁当、値札付いていませんが、売ってるんですか?」


『売りぃぃいいいいい!!』


 ––– こえぇええ!!


「じゃ、じゃあ、このカルビ弁当お願いします」


『気化して凍らせてやるぞッッ!!』


「いや!温めて下さい!!」


うん?レンジの操作に手こずっているぞ?


『過程や……!方法なぞ………!どうでもよいのだァ————ッ』


 ––– こいつもヤベェえええ!!


「店員さん? お弁当はミドル1000Wで1分って書いてますよ?」


『……最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハ—ッ』


 ––– 聞いてねぇええ!! 更にHI1500Wで10分って、また惨事が起こるぅ!


『時は動き出す(ピッ)』


「店員さん!! 駄目ですよぉお!!」


『フン!逃れることはできんッ!きさまはチェスや将棋でいう「詰み(チェック・メイト)」にはまったのだッ!』

 ゴゴゴゴゴゴ……ボンっ!!


 ––– カルビ弁当に恨みでも?!

 ああっ!!また、爆発音がぁ!


『貧弱!貧弱ゥ!』


 ––– アナタの思考が強靭すぎる。


「店員さん!もう、温め十分ですから!」


『無駄無駄無駄ぁ!!』


 ––– 無駄になるのは弁当だよ!


『完全なるとどめを…刺す!』

 ゴゴゴゴゴゴ……ボコン、ボコン♪


 …俺は、ヤバい店員さんに気づかれない様に、コンビニから逃げ出た。 ––– この世はどうなってしまったんだ!?

「俺にカルビ弁当を食べさせないつもりか?!」

 そう言いつつ、俺は少し先にある別のコンビニに脚を向けていた。

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