第48話 我とドラ子は見てはダメなのじゃ



 ミファイラの眷属解放が終わって、ミファイラに背中を流してもらい、広い湯船に入ってゆっくりしていると……聞き覚えのある声が聞こえて来た。


「おお!広いでは無いか?流石はわらわの眷属ミファイラじゃのう」


「うおおお!広いんじゃぁ!」


「ほれ、ドラ子も入らぬか?遠慮は要らぬぞ?」


「はい……それでは、ドラ子も失礼して……」


 ん?エリス様の声が聞こえるな……。


「あ、アリマ様?私、先に出ますね?」


「ああ……俺は、ゆっくりして行くよ」


 ミファイラはそう言うと、エリス様の声に反応して先に出てしまった。


 流石に……これだけ広いんだ。男湯と女湯に分かれているか、部屋毎に分かれているんだろうと思う。


 そう思って、声がした方を見てみたら、エリス様と目が合った。


「ええええええ!?」


 なんで、部屋は別なのに風呂が一緒なんだ?


「おお!婿殿も風呂じゃったか?」


「はい、ミファイラの眷属解放も無事に済みました」


「それは僥倖じゃな」


「はい!後は……」


「マニエラ……一人になったの?よくここまでわらわの試練に耐えて来たのじゃ」


 エリス様は、幼女体型の裸のまま……俺に近づくと、湯船に浸かっていた俺の頭を撫でてくれた。


 エメラダもドラ子もエリス様と同じ背の高さなので、3人揃うと壮観だった。特にエメラダは、幼女体型なのに巨乳なので、目のやり場に困る。


 三人とも銀髪なので、こうして並ぶと姉妹のようにも見えた。


 ドラ子も元が龍だけど、くびれはないけど出ている所は出ていて……?


 え?エリス様は可愛いですよ?胸なんて飾りですよ?


「婿殿よ♡」


「エリス様♡」


「あー、我とドラ子は見てはダメなのじゃ……」


 エメラダと、ドラ子は気を効かしてエリス様と二人にしてくれたみたいだ。


「俺はエリス様の全てが好きです……可愛い所も大好きです♡」


わらわもじゃ♡婿殿♡してくれぬか?」


「はい♡喜んで♡」


「んちゅ♡……ちゅ♡……ちゅちゅ♡……」



 ……そして俺達は、久しぶりに一つになった。



◇◇



 魔王がいると言うこの都市マゼルハーゼン。


 魔王が復活したと言うが、魔王の目的は何なのか?


 それに、魔王はどこまで強いのか?


 眷属マニエラは、敵なのか?


 分からない事が多すぎる。


 部屋に戻ると、ミファイラは既に寝ていた。


 そういえば、酒があったな。


 部屋には、飲み物とお酒が用意されていたので、グラスを出して、ワインのような飲み物を注いで飲んでみた。


「へぇ……香りが凄いな……」


 熟成された果物の香り、嫌な感じはしなかった。


 アルコールも回って、眠くなって来たので……俺は、ミファイラの隣に横になって、ミファイラを抱き枕にして眠りについた。



 翌朝になると朝食も部屋に運ばれて来た。


 流石にスイートルームと言うだけあって、サービスが良い。


「黒パンでは無いんだな?」


 朝食の主食はパンだった。しかし、一般的な黒パンでは無く、バゲットのような硬いパンだ。


「マゼルハーゼンでは、この硬いパンが主流ですね。長持ちしますし」


「魔族の国の方が飯も美味いし快適そうだな……」


 しかし、普通に見ると良い国じゃないか?種族は他の国と比べて流石に多いが、それだけの違いか?


 今日は、いよいよこの魔大陸の魔王の都市の調査を開始する。


 何が出てくるのか……だな。


 朝食を済ませた俺は、ミファイラに案内を任せて調査に乗り出した。


 エリス様達は目立ち過ぎるので、宿で待っていてもらう事にした。


「ミファイラ、案内を頼む」


「はい、アリマ様」


 俺は変化の魔法で魔族の容姿になっている。


 俺の変化魔法は、神様レベルじゃないと見破れない強力な奴だ。


 俺の変装が見破れるという事は、そいつは神様レベルにやばい奴という事になる。


 そんな強い奴がいる訳ないので安心して魔族の町を歩けると言う訳だ。


「あの遠くに見えるのが魔王城か?」


「そうですね。魔王城はマゼルハーゼンの中心にあります。魔王様は復活なされているので、在宅かと思われます」


「そうか……あれが中心なのか……」


 魔王城を中心とした魔道都市マゼルハーゼン。よく見ると都市全体が魔法陣になっていた。


 魔法陣都市か……魔王復活の秘密もここにあるに違いない。


 生贄として、亜神の欠片を持った人を捧げたらしいからな……。


 人を生贄に使うなんて絶対に許せない。


 魔法陣を壊しておいた方が良いか?


 また復活されても困るしな……。


「気になっていたんだが……魔王はなぜ復活出来るんだ?」


「魔王様は、核の状態でも死んではいません。だから手順を踏めば復活可能なのです」


「魔王核でもあるというのか?」


「魔王核は隠されていて場所は分かりませんが……核さえあれば魔王様が滅びる事は無いのです」


 いや……この魔法陣見る限りは中心部にあるだろ?魔王核?


 そして、中心部には魔王城だろ?決まりだろうな?


「分かった、とりあえずその魔王核ってのを確保するか?」


 魔王核を壊すにしろ、とりあえず拾ってこないと始まらないよな?


 と、いう事で結局は魔王城に行くしかないという事になった。


「魔王城に潜入するには……どうすればいい?」


「そこまでは知りません」


 だろうな……。


「ミファイラが知らないとなると……自分で調べるか?」


 俺は、エリス様から教わった魔法の中で一番使えそうなものを選んだ。


「自動マッピング!」


「なんですか?それは?」


 魔力の流れを感知して、町の隅々、地下や地下水路まで細かく自動で地図を作ってくれる便利魔法だ。


「秘密だ」


 特にこの町は魔力が濃いのでマッピングしやすい。


「魔王城地下に巨大な空間があるな……ここが怪しい……で、ここに行くにはと」


「地下水脈……つながってますね?」


「そうだな……ここを行ければな?泳げるか?」


「無理です……」


「俺もだ……」


「大丈夫だ。泳ぐ必要はない」


 取り合えず俺達は、地下水脈の入り口まで移動した。


「よし、これに乗って行こう」


 俺が出したのは小型潜水艦だ。


「何ですか?これは?」


「俺が今作った小型艇だ。魔力で動くから操作不要だ」


 ミファイラは、呆れた顔をしていたけど気にしない。


「さぁ、乗れ」


 小型艇に乗った俺達は地下水脈を魔王城の地下まで進んでいった。


「この辺だろう」


 小型艇を水脈から上昇させると大きな空間に出た。


「ここは……魔王城の地下数十メートルだな。そして……多分あれが魔王核だろう」


 地底湖の真ん中の島には巨大な魔力の結晶があった、高さにして10メートルくらいはあるだろうか……それにしても大きすぎるだろ?


「あれが……魔王核?」


 あれがある事で魔王は不死、何度でも復活する存在になっている。


「そう簡単には触らせてくれないか?」


 どうやら、敵さんのお出ましらしい。










あとがき


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女神様の婿 女神様に見初められた男は、防御力皆無でも世界最強? 亜神ハーレムで神へと至る (旧題 防御力ゼロなので堕勇者になります 改変版) 蒼真 咲 @soumasaki

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