第35話 浮気はしないって言って欲しかったぞ?



 ルリアナ姫の眷属解放が終わり、残すはアンリを除けばあと一人、リンスレット一人となった。

 

 リンスレットとは、一度デートをしているけど、キスの前借りをしてから少し間を置くことにしていた。


 多分、俺のことを意識して、4人の眷属解放に……自分は本当に愛されているのかと、気を揉んでいるはずだ。


 もちろん俺はリンスレットを愛している。5人の中でもリンスレットの美貌は隠しているだけで一番綺麗だと言っても過言ではない。


 俺は、リンスレットの様子を伺いに、リンスレットの部屋に行ってみることにした。



 コンコン!


「リンスレット?いるかな?」


「ちょっと待ってくれ」


 おっと、リンスレットは部屋にいるようだ。


 リンスレットは鍵を開けて俺を部屋に招いてくれた。


「お邪魔するね?」


「どうしたんだ?今日は来る予定は無かったはずだが?」


 言われてみるとそうだった。でも予定なんてものは作るものだ。


「今、予定を入れたばかりだからね?」

「あたしだって、そんなに暇ではない」

「そうか、それなら後日でもいいけど?」


「え?いやぁ……そうだった!ちょうど今日は予定が空いていたんだったよ、うん」 


 リンスレットは慌てて、否定した。


「それなら良かったよ」


 俺はリンスレットの部屋に入ると、用意していた花束をリンスレットに渡した。


「どうしたのだ?花束なんて用意して」


「いや、ほら綺麗なリンスレットに似合うと思ってね?」


 リンスレットは花束なんか貰ったことなどないのか、困惑の表情を浮かべていた。


「そんな……あたしをおだてても何も出ないぞ?」


 そんなことを言うリンスレットの顔は既に赤くなっていた。


「本心を言ったまでだけど?」


「またそう言って、あたしを……」


 俺はリンスレットの手を引いて、リンスレットの唇を奪った。


「ん……んん♡……んちゅ♡……んんん♡」


 既にリンスレットの顔は蕩けて、俺の唇を受け入れてくれていた。


「ん……ぷはぁ……強引なんだな?」


「リンスレットは、強引な俺は嫌い?」


「くっ……嫌いではない」


「好きだよ?リンスレット♡」


「狡いぞ?……そうして他の四人も落として来たのか?」


「それは違うよ?リンスレットは特別だよ?この俺をこんなに強引にさせたのはリンスレットだけだ」


「またそう言って、あたしを惑わせようと……」


 俺はまたリンスレットの唇を塞いだ。


「ん……んん♡……んああ♡……んちゅ♡……ちゅ♡……ちゅ♡」


「はぁ……はぁ……」


「リンスレット。まだ分かってないようだけど……君はとても綺麗で素敵なレディだ」


「あ……アリマ様……本当にあたしでいいのか?」


 リンスレットは、まだ困惑の表情を浮かべていた。自分に自信が無いのだろう。


「リンスレットが良いんだ」


「あたしは面倒くさい女だぞ?」


「分かってるよ?」


 すでにいや、かなり面倒くさくなってる感じはするけど?


「あたしは、寂しがり屋なんだぞ?」


「知ってるよ?」


「後悔するなよ?」


「後悔なんてするもんか」


 それはもう、覚悟の上だからね。


「浮気したら泣くぞ?」


「それは……善処させてくれないか?」


 俺はエリス様の婿だから眷属以外には手を出さない。


「アリマ様……あたしは……アリマ様が大好なんだよ!……バカぁ!!」

「そこは、浮気はしないって言って欲しかったぞ?」


 リンスレットは、ポカポカと俺を叩いて来た。


「いや眷属以外って条件なら約束は出来る」


「く……分かった……それでいい」


 うん、これなら眷属解放できるかもしれない。


「えっと、リンスレット?眷属解放してみる?」


「ちょっと待ってくれ!今は汗臭いから、風呂くらい入らせてくれ」


 どうやらリンスレットは毎日の日課で運動しているので汗をかいているらしい。


「風呂なら一緒に入ろうか?」


 この部屋にも風呂がついているらしいので、リンスレットと一緒に入ることにした。

「え?まぁ……恥ずかしいが……いいだろう」



◇◇



 リンスレットの素肌はとても綺麗だった。


「あまり……見られると恥ずかしい」


「ごめん、リンスレットが綺麗過ぎて見惚れていたよ♡」


「そうか?……なら……少しなら見ても良い」


 俺はリンスレットと一緒に湯船につかった。


「リンスレットは毎日鍛えているんだね?」


「まぁ……な。筋肉質な女は嫌いか?」


「引き締まった体は魅力的だよ?リンスレットの体はとても好きだ」


「そ、そうか?良かった」


 リンスレットは、筋肉も付いているけど、とても健康的で出る所は出て、腰も引き締まって、くびれもしっかりしているのでスタイルがとてもいい。


 俺はそのままリンスレットを抱きしめ、口を塞いだ。


「ん……ちゅ♡……ちゅ♡」


「このまま……眷属解放しちゃおうか?」


「もう、アリマ様の好きにしてくれ♡」


「いくよ?解放術式オープン♡ ちゅ♡」


「んあ♡……これが……眷属解放術なのか?……んあ♡……はぁ♡……んああああ♡」


「リンスレット♡」


「アリマ様♡……んは♡……はぁ♡……はぁ♡……頭が……おかしく……んあああ♡」


「もう……いいかな?……いくよ?……リンスレット♡」


「来るなら……来てくれ……んん♡ああああ!!」


「眷属解放!」


「はぁぁ♡んぁぁぁ!んん♡いい♡……んあああ♡いい!……あっああ♡あああ♡」


「んあああ♡……アリマ様……力が……入って……来る……んああああ♡……来る!はああああ♡……溢れる?♡……んああ♡……いい♡」


「リンスレット!」


「んあ♡……あん♡……ああん♡……んあああああああああああああああああああああ!!」



 ……リンスレットは疲れたのかそのまま寝てしまったので、体を拭いてベッドに寝かせてやった。


 こうして、リンスレットの眷属解放は無事に終了し、5人すべての眷属解放は終了した。





あとがき


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