第29話 五等分した花嫁



 どうやら俺は、オークキングとやらを倒してしまったらしい。どうでもいいけど。


 魔大陸にいるという魔王とやらも、今は居るかも分からないし後回しだ。


 それよりも眷属解放を急ぎたい。


 エリス様の最初の話だと眷属は7人と言っていた。


 リリムとパーラ、プリステラとパチェッタで4人だ。残る眷属は後3人という事になる。


 それと俺の眷属として、マリ姫、とリリアスの5人の姫が加わることになる。

 

 それにしても俺は、誰とも結婚式を挙げていないな……。眷属集めが終わったら、ちゃんと式は上げないとな。もちろんエリス様とも結婚式は上げておきたい。


 エリス様が神様だから神前式になるのかな?


 神様に本人に結婚を誓うのだから、そうなるのだろうけど。そうなると式場はエリス神聖国に用意するか……。まだ先の話になりそうだけどね。


 そうすると、次の眷属を探しに急ぎたいんだけど……。


 エリス様に相談してみるか?


「という事で、エリス様」


 俺は自分の部屋で、寛いでいたエリス様に今後の相談をしてみた。

 

「5人の姫の眷属化を早めたいということじゃな?」


「そうですね」


 相変わらずエリス様は可愛い。今日はいつもの巫女服ではなく、この国で用意してもらった白のワンピースに身を包んでいる。女神様だけに白が良く似合う。


「ならば一人一人の力は弱まってしまうのじゃが……与える力を五等分してはどうじゃ?」


「え?五等分ですか?」


 エリス様が提案されたのは、まさかの五等分だった。


 すでにレスティアに与えた俺の力を眷属開放して、その力でレスティアの解放した力を、そのまま5人に再分配して一気に5人分の眷属化を行ってしまおうというのがエリス様の案だった。


 流石に今回ばかりはエリス様も手伝ってくれるという事で、レスティアの眷属解放と4人の眷属化を一気に行う事になった。


 レスティアは眷属化済みとは言え、眷属解放と4人の眷属化はうまくいくんだろうか?



◇◇



 俺はレスティアとラミレス、リンスレット、アンジェリカ、ルリアナの五人を自分の部屋に呼んだ。エメラダは他の部屋に行ってもらっている。


「来たようじゃな」


 エリス様が誰か来たようだと教えてくれた。


「失礼……します……」


「いらっしゃいレスティア。君が来るのを待ってたよ?その後の体調はどう?」


 レスティアは、顔色も良く白銀色の髪とルビーのような瞳に見つめられると……。

 既に俺の胸の鼓動は早くなり、息が詰まりそうだった。


 服は脱がしやすそうな……では無くて……きっちりとした赤いドレスを着ていた。レスティアは何を着ても可愛い。


「大丈夫……です」


「今日は眷属解放を行うよ?」


「眷属……解放……ですか?」


「そう、簡単に言うと眷属の力を俺と契約結婚する事によって高め合うという儀式なんだけど……レスティアは俺の事は好きかな?」


「け、結婚!?あ……はぃ……もちろん……大好きです」


「ありがとう。眷属解放は、俺の事を本気で好きな人じゃないと出来ないんだ。あと、結婚式は後になってしまうので待っていて欲しい」


「はぃ……大丈夫……です」


 一応、みんな俺との結婚を望んでいたから大丈夫だとは思うけど。


 問題があるとしたら年長のラミレスとリンスレットかな?


 ラミレスは行き遅れを気にしていたし、貰っていただけないでしょうかとか……ちょっと可愛い所もある。俺の事はカッコいいって言ってたから、脈は有るのかもしれない。


 リンスレットは、渋々了解したような感じだったからなぁ……。結婚してくれとは言われたけどね。実際の所、どう思っているのかは本人にしか分からないけど。


 と、考えていたら当人が到着したようだ。


「今日は、お招きありがとうございます。アリマ様」


「うん、ラミレスも来てくれてありがとう」


 ラミレスは綺麗で艶のある長い赤い髪を、今日は綺麗に結っていた。ラミレスも着ている服は王宮なのでしっかりとした黒いドレスだった。


「呼ばれたので来てみたが……姉上にレスティアも来ていたのか……」


「リンスレットも、来てくれてありがとう」


 リンスレットは昼寝でもしていたのか、薄茶色の短い髪には少し寝癖が付いていた。リンスレットは他の姫と比べても、短髪だから洗うのは楽そうだ。着ている服もカーキ色のズボンに上はワイシャツを着こなしていた。


 ……リンスレットは随分と自由な格好をしているな。


「それで、あたし達を集めて何をするのだ?」


「これからレスティアの眷属解放を行うので、ついでに全員の眷属化をしようと思ってね?」


「良く分からないが、それは必要な事なのか?」


 ……まぁ女神様との約束事を知らない人には理解出来る訳もない。


「俺と婚約して結婚するならば必要だね?」


「了解した」


 リンスレットってなんか事務的な感じがするんだよね?理屈が通れば問題ないから大丈夫か?


 リンスレットと話していると、もう一人の来客があった。


「失礼するわ!」


「うん、いらっしゃいアンジェリカ」


 元気な声でアンジェが入って来た。アンジェの金髪のツインテールが眩しすぎて思わず拝みたくなる。透き通った青い瞳に吸い込まれてしまいそうだ。


「あら、もう名前を覚えて下さったの?嬉しいわ」


「俺がアンジェの名前を忘れるわけないだろ?」


「そうかしら?エリスの姫は、なんてお呼びで?」


「あ……マリ姫?いや違うんだマリーシャって呼びにくくてね?」


 そうなのだ何故かエリス神聖国の姫は呼びにくい。マリーシャにミルラルネにティナリアだっけ?だからいつも俺は省略して呼んでいるんだ。


 え?覚えてるって?覚えているのと、言いやすいのは違うと思うんだ。


「うふふ……アリマ様だったら省略してくれても良くってよ?アン姫とか?」


「いや……アンジェと呼ばせて?」


 そして、最後に現れたのは……。


「はぁ……はぁ……お……遅くなりました!」

 

 ルリアナ姫だった。なんでいつも走ってくるの?


「あの!アリマ様にお呼ばれしたので……ちょっと準備に時間が……」


 尊い!俺の為に準備に時間をかけて遅刻する!典型的なドジっ子じゃない?


「準備してくれたの?」


「ごめんなさい!お待たせしてしまって」


「いいよ、俺の為に時間をかけてくれたなら、仕方が無い」


 ルリアナ姫の茶色のおさげには可愛いリボンが付いていた。黄色いドレスもフリフリでとても可愛い。


 ルリアナ姫は、俺の事をとても慕ってくれるので、小さい事なら何でも許しちゃうかも?


「さて、全員そろったのでこれから、レスティアの眷属解放を行いたいけど……」


わらわから説明しようかの?」


「女神様……おねがい……します」


 俺が説明しようとしたら、エリス様に横入りされた。代わりに説明してくれるならよしとしようかな?


「これから、そこの娘の眷属解放を行うのじゃが、眷属解放には解放者への愛が必要じゃ。レス……姫はアリマが好きかの?」


「好き……です」


「アリマはわらわの旦那様じゃ。それでも好きかの?」


「……すき……です」

 

 レスティアは、顔を赤くしたり青くしたりして。また赤くしていた。


「合格じゃ、それから解放後は、すぐに残りの四人に力をレス……姫へ与えた力を再配分させて、4人の眷属化を行うのじゃ」


「「「「はい!」」」」


「その為には準備が必要なのじゃ。……まずは全員、服を脱いで裸になるのじゃ!」


「「「「「はい!?」」」」」


「聞こえなんだか?脱げと言ったのじゃ?この儀式はとてもデリケートなのじゃ。術者とは肌が触れておらんとだめなのじゃ」


「ええ?でも……恥ずかしい……です」

「いいわ!何枚でも脱ぐわよ?」

「アリマ様の為なら、脱ぎますよ!」

「……この際、仕方ありませんか……」

「必要ならば脱がせてもらおう」


「レス……姫は眷属解放を行うので、服を脱いだらベッドへ横になるのじゃ」


「……はぃ」


 何か凄いことになってるんだけど?大丈夫なのか?


「旦那様もベッドに来るのじゃ。何を黙って見ておるのじゃ?早く脱ぐのじゃ」


 エリス様は俺も脱げというので、俺は服を脱いで裸になった。


「きゃ!……は……はずか……しいです」


「俺もだよ……」


 何この公開プレイみたいなのは?しかもエリス様以外は全員裸。


「あの、脱ぎましたので早くして下さい」

「私も恥ずかしいから、早くしてくれないかしら?」

「姉妹で裸というのも新鮮だな」

わたくしは大丈夫です」


 みんな胸と大事なところは隠しているので見ることは出来ない。

 というか、今はレスティアに集中しなくては。


「レスティア……とても綺麗だよ♡」


 俺とレスティアはベッドに横たわっていて、レスティアは恥ずかしいのか、胸もあっちも隠している。

「あんまり……見ないで……下さい」

「いや……全部見せてくれ。俺はレスティアが好きだ♡」

「私も……好きです♡」


 俺はレスティアに優しくキスをした。


「ん……見て……ます……ん♡」

 

 見られているという感情が、二人の意識を敏感にしていく。


「レスティア♡君の全てが欲しい……」


「嬉しい……です……♡全部……あげます……」


 俺はレスティアを抱きしめた。レスティアも隠していた手を放して、俺の背中に手を回して来た。


「……眷属解放するよ?」


 もう準備はできているようだった。


「……はい♡」


「……解放術式……オープン!」


「んん……んあ……んん……あ……あああ……アリマ様ぁ♡……んん……んはぁぁぁ♡」


 四人の姫は当然この光景を見ていた。


「私は何を見せられているのかしら?」

「すごい……です」

「あわわ……あああ……あんなに?」

「うん……だめ……濡れて来ちゃう……」


「レスティア!可愛いよ♡好きだ大好きだ!」

「んん……私も……大好き……です♡アリマ様♡」


「そろそろ……いくよ?いいかな?」


「はぃ♡……どうぞ……」


「眷属解放!」


「んん♡んん……んあああ♡んん……あ……いい♡……ん♡んんあああああ♡」


「何か……来る……これは……アリマ様?……感じ……ます……んああああああああ!」


 ここでエリス様が入って来た。


「今じゃ!わらわが解放の力を制御するのじゃ!」

 

「一人目!」

 

 俺は制御され5等分された解放の力をラミレスのお椀型の掌にちょうど収まる大きさの左胸をわしづかみして注ぎ込む。


「んあ♡んはぁ♡あああん……あ、アリマ様ぁ♡そんなに揉まれたら私……あん♡」


「二人目!」


 次に俺は、5等分された解放の力を、リンスレットの筋肉質でも程よい大きさの左胸を揉みしだいて注ぎ込んだ。


「これは……なんとも♡んあ♡……良いものだな♡んん……あああ♡……んあああ♡」


「三人目!」


 俺は、5等分された解放の力を、アンジェの小ぶりで可愛い左胸に注ぎ込んだ。

 揉めるほどは無かったからだ。


「あはぁ♡いいですわ♡……もっと……注いでくれても良くってよ?んあああああ♡」


「四人目!」


 俺は、5等分された解放の力を、ルリアナ姫のつるペタの左胸に注ぎ込んだ。

 何もなかったんだよ?


「何か?んあ♡……大きく…んん……なれば…ああ…成長する……もん!んああああ♡」


「五人目!」


「レスティア♡分けた力を戻すよ?」


 俺はレスティアの小ぶりでも形の良い左胸にてを当てると、優しくもみしだいた。

「アリマ……様♡……私……んん……もう……だめ、です……んんああああ、あはあああああああああああ!」 


「はぁ……はぁ……」


「婿殿、お疲れ様じゃ。四人の眷属化もレス……姫の眷属解放も無事終了じゃ♡」


 エリス様が成功したと教えてくれたので一安心と言ったところだけど。


 この光景は凄いものがある。


「みんな、今日はありがとう。おかげで今日は無事に終わったよ。あと、ルリアナとラミレス、アンジェ、リンスレットの眷属解放は後日、改めて行うのでよろしくたのむね?」


「ん……はぁい♡」

「あれを……やれと?」

「お願いします♡」

「へぇ……いいけど?」


 こうしてなんとか……この日の眷属解放と眷属化は無事に?終了したのだった。


 



あとがき


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