第16話 なんでそんなに偉そうなのじゃ?


 無事にプリステラを眷属解放出来た俺は、気力に満ち溢れていた。何というか神気が溢れるような感じと言えば分かるかな?


 ミル姫も神気の濃度が薄い?とかなんとか言ってたような気がするけど?まぁ今となってはどうでもいい話なのかな?


 この町は鉱山の町ユグドラというくらいなので、この近くには鉱山があるらしいけど。今の俺には必要性を感じないのでスルーすることにした。


 ここで俺がツルハシなんかを持って鉱山に行き、変にフラグを立てるとギルティで、天罰が待っているような気がしたからだ。なんでだろう?


 まぁそれは置いといて、この町での目的は終わったので、次の眷属を探しに行かなくてはならない。

 パーラはまだ眷属解放出来ていないけど、パーラとの仲が進展したという実感が無いので、まだまだパーラと仲良くなるには、時間がかかりそうだ。



「婿殿よ?折角ユグドラに来ておるのじゃ、観光はせんのか?」


「エリス様……観光ですか?」


「そうじゃ、新婚旅行といえば観光じゃろ?」


「そうですよね、ではエリス様、今日は俺とデートしますか?」


「デート!?それじゃ!何か足りないと思っておったのじゃ♡旦那様とのデート♡ええのう♡」


 エリス様は楽しそうに喜んでいる。そういえば、エリス様とはまともにデートもしてなかったか?


 俺はエリス様を連れて町に出かけた。小さな町だけど、白で統一された街並みは、他では見れない景色と言っても過言ではない。


 確かに観光するのもいいかもしれないな。


「婿殿!あれ!あれが食べたいのじゃ!」


 あれ?俺がエリス様の指さす方を見ると、たしかに良い匂いがこっちまで漂ってくる。何を焼いているんだろう?


「おじさん5本ください」


「はいよ、5本ね」


 俺が5本と言ったのには訳がある。俺たちの後ろには護衛が付いているからだ。

 過剰戦力だって言ってるのに付いて来たのは、リリムとマリ姫、それからティナ姫だ。


 なので忘れずに、後ろの3人にも串焼きを渡しておく。


「うむ。なかなか美味じゃの、もう一本くれぬか?」


「おじさん?すみません、あと15本下さい」


「いいぜ、なんなら20本いっとくか?」


「じゃ、おねがいします」


 結局ほとんどエリス様が食べちゃったけど、あのロリ体型でどこに入るんだろう?


 え?エリス様は太ってませんよ?大丈夫です!


「ふむ、お腹もいっぱいになったし、ちとペットに会いに行かぬか?」


 え?ペット?


「ペットですか?」


「ここ白竜山にはわらわの龍が住んでおってな?」


 なんか嫌な予感がするんだけど?


「まさか?その龍に会いに?」


「ここから近いし、ついでじゃがの」


 エリス様のペットという龍に会いに行くことになったので、俺はエリス様を連れて空を飛んで龍の住処まで飛んで行った。


 護衛のリリム達は、流石に飛べないのでそのまま置いてきちゃったけど、後で怒られそうだなぁ。



「着きましたけど?この火口に入るんですか?」


「そうじゃ、この火口が入口になっておるのじゃ」


 俺は白竜山の頂上にある大きく開いた火口に向けて降下していった。


『誰じゃ!?儂の寝床に踏み入る不届き者は!?』


 案の定、真っ白いドラゴンさんに歓迎されたよ。超でっかいよ?このドラゴン!


「久しぶりじゃの?レヴィーよ?」


『んん?誰じゃ? え?ええ?エリスロード様ああああああああああ!?』


 白いドラゴンさんは、その大きい図体のまま土下座をしているよ?


「最近はどうじゃ?問題は起きておらぬか?」


『エリスロード様のお手を煩わせるようなことは何もないですううううう!』


「それより、レヴィーよ?頭が高いぞ?人化してわらわより小さくなるがよい」


『すんません!!!今すぐ!!』


 白いドラゴンはそう言うと白く発光したかと思うと、どんどんと体が小さくなり、エリス様と同じくらいの幼女、もとい美少女へ変身してしまった。


 決定的に違うのは、頭にはドラゴンを現す小さい角があるくらいだろうか?


 白いドラゴンから小さくなった美少女、ドラ子は髪の毛はエリス様に似て綺麗な銀に近い白色、目は緑のエメラルドに近く綺麗な瞳をしていた。


「ドラ子じゃないわ!儂はレヴィーじゃ!」


「あれ?聞こえてた?でも言いにくいからドラ子でいい?」


「もう、なんなのじゃこいつは!?」


「そうじゃレヴィーよ!紹介するのじゃ!この男は、わらわの旦那様じゃ♡」


「なんじゃとおおおおおおおおお!!」


「ども、エリス様から紹介されました。アリマ・エリスロードです。よろしく!ドラ子」


「じゃから!ドラ子じゃないって言っとるんじゃ!レヴィーじゃ!レヴィー!」


「なんかレディみたいで言いにくいからさ、もうドラ子でいいよね?」


「はぁ、疲れるわもう、何とでも呼べ!」


「それでエリスロード様は、ここに何しに来たのじゃ?」


「もちろん、ペットのお前を散歩に連れて行くためじゃ?……じゃがの?ドラ子?わらわとキャラ被っとるぞ?お主、なんでそんなに偉そうなのじゃ?あん?」


「はああ!?いえ!申し訳ございませんんん!!どうぞお連れ下さい!このドラ子!どこまでもお供しますぅぅぅぅぅ!!」




 ……こうして、エリス様のペットのドラ子は俺達の仲間に加わったのだった。


 めでたしめでたし?






あとがき


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