第14話 試し切りのつもりだったんだけど
俺達は、次の試練のために旅立ちの準備をしていた。
ミル姫やティナ姫が手伝ってくれたお陰で、旅の準備は順調に進んだ。
次の眷属は眷属レーダーによると南にいるようなので、南へ向かう予定だ。
まぁ眷属が近くに多すぎてレーダーが合っているのか不安なところもある。
それと、マリ姫には俺の名代として、残ってもらう予定だったんだけど……。
「アリマ様?私を置いていくなんて事、考えてませんわよね?」
「当たり前じゃないか?ははは!」
一応姫だから残って欲しかったけど、仕方ないか。マリ姫はどうしても、俺と一緒に行きたいみたいだ。
そうすると……連れていくのは、リリムと……え?パーラも行くの?
そっか……まだ解放してないからね?後は、マリ姫と……エリス様!?忘れてませんよ?
馬車(竜車)はマーニャにお願いするとして……。
「王族用をお使いになればよろしいのに」
「いやいや。あんな王様乗ってますみたいなの使えないよ?お忍びだよ?」
「あと護衛が付きます」
「もうすでに過剰戦力だからね?」
「しかし、女神様や使徒様に何かあったら……」
天罰を警戒してる!?
「心配し過ぎだよティナ姫」
それと、ティナ姫は護衛騎士として付いてくるという。既にティナ姫は俺の秘書みたいな立ち位置にいるので助かるけどね。
「
「エリス様は、俺の傍にいてくれるだけでいいんですよ?」
何もしないでくださいね?
「そうか?婿殿も大胆じゃのぅ、そんなに
「ええ、俺はエリス様が大好きですからね!恋しくてたまりませんよ?」
「そ、そうか?そんなに直球でこられると……照れるじゃろ♡」
エリス様!可愛い♡
そんなこんなでパーラの店の竜車を借りて、御者はマーニャにお願いし、聖都を出発する。
俺は名義貸しのお飾りの王だから不在でも問題は無い。……と思う。
目立つので見送りはしないようお願いした。本来なら王が旅立ったらやばいでしょ?
結局、姫の中で城に置いて行ったのはミル姫だけとなった。おっぱい要員がいなくなるのはちょっと寂しい気もする。ちょっエリス様?痛い痛い! エリス様に太ももをつねられました。
やっと冒険らしくなってきたような気がするけど、そういえば冒険者ギルドって一度も行ってないけど大丈夫なのかな?身分証は城で作ってもらったからいいのか?俺は一応王様だし?
「それでマリ姫、この先にある町ってユグドラだっけ?」
「そうですわね。普通なら竜車でも3日はかかるところですけど」
そう言うと竜車なのに羽が生えて?え?地龍じゃないの?竜車が地面を離れたかと思うと空に向かって走り出した……というより飛んでる?
「これで午後には着きますわ」
「へぇ……早くて便利?」
この分だと何もなく着いてしまいそうだな。と思ったけど地上の視界の中に大きな魔物の気配を感じた。あれは……高ランクの魔物のようだね。
「うむ、あれはゴブリンロードじゃな」
「試し切りにはいいか」
俺は竜車から飛び降りて、空に出るとそのまま魔法で飛びながらゴブリンロードに向け剣を放った。
ズシャアアアアアアアアアア!!!!
放った剣筋は空間ごと裂けて、ゴブリンロードは一言も話す間もなく消滅した。
「剣筋はちょっと弱かったかな?」
宝物庫からもらった剣はそれなりには使えるようだ。
試し切りにしてはちょっと強すぎたようで、空間が歪んだままになっている。
「やば!」
地上に降りて歪んだ空間を修復していると、岩陰からこちらを伺う震えるアイドルを見かけた。
「ん?あの子は……」
◇◇
鉱山の街ユグドラの南、街道筋から少し離れた岩陰に真紅の髪に赤目のプリステラは隠れていた。
プリステラの真紅の髪は目立つので、フードを被っている。ただ、アイドルのような大きな胸を強調するひらひらの純白の服を着ているので頭に被ったフードはその役目をあまりはたしていなかった。
えええ!?ゴブリンロードが一瞬で消え去るなんて……。
あのお方は、いったい何者なのでしょうか?
「大丈夫?巻き込んですまなかった」
あわわ!見つかってしまいました。
「あ、あたしは……だ、大丈夫です!」
「試し切りのつもりだったんだけどね……どうも威力が安定してなくて、あ、そうだケガはしてないか?」
見た感じ優しそうな人ですが、あの強さです。ストーカーだと確実に犯されるでしょう。新手のナンパかもしれませんし、ここは逃げの一手で。
「平気です。そ、それ以上は、近づかないでください!」
「えええ?俺、警戒されてる?」
その時、上空から竜車が下りてきました。え?竜車が飛んでる?
「婿殿!迎えに来たのじゃ♡」
ええ!?あれは!まさか?
「エリスロード様!?」
「なんじゃ?おお!プリステラでは無いか?久しぶりじゃの?」
どうして?エリスロード様が地上に降りてきているんです?
「お久しぶりです?……どうしてここに?」
「知りたいか?そうかそうか。実はのう、
「は!?ええええ!?そうなんです!?」
「紹介するのじゃ!
「どうも、俺がアリマ・エリスロードです」
ああ、強いはずだ……、このお方は、女神様の旦那様だったなんて……。
「婿殿よ!この者は、
こうして俺たちは、女神様の眷属プリステラと出会う事になったのだった。
あとがき
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