第13話 デートは寝るまでがデートですよ?



 マリ姫の眷属解放を行なった次の日、俺は猫獣人のパーラと買い物デートに出かける事になっていた。


 ただ、俺は王様という事になっているので護衛が付いている。


「で、どうして君がいるのかな?ティナ姫?」


 俺達の後をぴったりと付いてくる女騎士は、第一王女のティナ姫だった。

 

「私はアリマ様の護衛だ」


「ボクも、護衛だよ?」


 あれ?今日はパーラとのデートなのに、リリムまで付いて来たよ?俺に自由は無いの?


「アリマさんは聖都は初めてでしたね」


「パーラはここに住んでるんだよね?」


「この国は人数的には人族の方が多いですけど、獣人も住みやすい国なんですよ?」


「なるほど、それで獣人向けの飲食店兼宿屋を経営しているんだね?」


 パーラは猫の獣人でオレンジ色の腰まであるサラサラした髪に、頭には猫耳が付いている。


 エリス様の眷属にしては、メロンのように大きい乳房は弾力があって、服がはち切れそうな感じだ。リリムやマリ姫みたいにロリな体形の眷属ばかりでは無いのが、俺の心に少しの安心感をもたらしてくれる。 え?エリス様?もちろん!ロリ体形は大好きです!


「アリマさんは王として、服が足りないと思います」


「そうかな?」


「私の知り合いに、仕立て屋がありますので服を作りましょう」


 そういえばリリムの家で貰った服のままだったか?


「うん、今日はパーラに任せるよ」


 ブティックなどの商店が立ち並ぶ中、いかにも高級そうな服を扱ってます風なブランド店に入ると、いかついトラ獣人の店員が出てきた。


「いらっしゃ~い♡今日はどちら様の服を入り用かしら?」 


 何故かトラなのにヒョウ柄の服を着ている。


「どうも、新しく王になったアリマです」


「バンドウさん。アリマ王様の服を10着ほど見繕ってほしいんだけど?」


 この店の店主はバンドウさんというらしい。なんかイルカみたいな名前でヒョウ柄のトラって混ざりすぎでしょ?


「あらあら、いい男じゃない?貴方が新しい王様?イカスわねぇ♡」


「服を作りたいんだけど、儀式用と冒険者用、就寝用、普段着、社交界用と2着ずつお願いしたい」


「あと、下着は替えもいるんで10着くらい」


「いいわよん、時間がかかるから、早く欲しいのはある?」


「旅支度もあるんで、冒険用を早めに」


「了解よ?お代は王様宛でオーケー?」


 いいのかな?


「お代は王宮あてで、つけておいてくれ」


 ティナ姫が代わりに答えてくれた。


「了解よ、早速取り掛かるわよ」


 それから俺は採寸をされ、腕輪は服で隠れるように注文を入れておいた。


 服屋を出て、次に必要なものという事で、忘れてはいけないものを思い出した。


「あとは、武器かな?」


「アリマ様、武器だったら城にあるので後でみるといい」


 ティナ姫が提案してくるが、ティナ姫は俺の秘書か何かか?でも……。


「そうか?ティナ姫が、いてくれて助かったよ」


 これってデートって言えるのか?この分じゃパーラとは眷属解放は出来そうもないか?


「月並みな質問だけど……パーラって趣味とか、得意なものってあるの?」


 パーラは少し考える素振りを見せると、これまた月並みな回答をするのだった。


「お料理に、剣術でしょうか?」


「そういえば、定食屋もやってたよね?へぇ帯剣してる所見たこと無いけど剣術得意なのか」


「一緒に旅に出れば護衛も出来ますよ?ふふふ。それで、アリマさんは、ご趣味は?」


「読書に映画鑑賞っていっても、こっちの世界には無いんだよなぁ」


 ……ってお見合いか!?


 屋台で串焼きを買って食べたり、一通りの買い物デートを終えて、パーラを連れ城に戻る。



◇◇



 宝物庫に置いてある剣の中から適当に自分に合いそうな剣を見繕ってから、演習場へ向かう。


 実剣は使わないけど木剣をパーラに渡し、俺との模擬戦を行う。


 なるほど、剣術が得意というだけの事はあるようだ。剣術スキルでもあるのかパーラの剣筋は素晴らしいものがあった。


「自称剣士というのも本当のようだな?」


「もちろん、護衛なら任せてくれる?」


「考えておくよ」


 模擬戦で汗をかいたので、風呂に入ることにする。俺が入るのはいつもの王族専用風呂だ。


 昨日は、ミル姫とティナ姫が風呂に入ってきて、色々と大変なことになったけど。


 今日は一人でゆっくり入れる……と、思っていたのは俺だけだったようだ。


 バスタオルで体を隠したパーラさんが、お風呂にまで入ってきたよ。


 パーラの体つきはムチムチしてて、おっぱいも大きいし、目のやりどころに困るんだ。


「アリマさん?おち〇こお流ししますね?」


 えええええ!?


「いや、そこはお背中でしょ!?ど直球で来たね!?」


「アリマさんに分かっていただけるように愛情表現です♡」


 パーラのバスタオルが……タオル越しに感じるこの柔らかいものは、おっぱ!


「さぁ……アリマさん?これからが、本当のデート♡ですよ♡」


「私達のデート♡を、は♡じ♡め♡ま♡しょ♡?」


 何が始まるのかなぁ? 


「パーラも洗ってあげるよ?」


「あん♡」



◇◇



 パーラとのデートも終わり、俺は寝室へと戻って来た。パーラは別室を用意してあるのでゆっくり寝れるはず?


 これで少しは、パーラとの仲は進展したのかな……?


 コンコン!


「失礼します」


 誰かが部屋に入ってきたようだけど誰かな?え?パーラ?


「同衾させてください」


「言い方!」


「だってリリムだって一緒に寝てたのでしょう?」


「そうだけどね」


 確かに一緒には、寝ていたよ?エリス様も一緒にね。


「デートは寝るまでがデートですよ?」


 何か聞いたこと無いよ?その言い方!?


「分かった。一緒に寝るか?」


「はい♡」


 その日は、眷属解放はしなかった。あくまでデートだからね?


 勿論一緒に寝ただけで何もなかったよ? 多分?






あとがき


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