第3話 内気な僕、お邪魔する(自主規制バージョン)
「それにしてもすっかり大人になって……」
椅子に腰かけどこか落ち着かない様子の僕に千恵子おばさんが優しく微笑みかける。
その表情はとても柔らかくそしてどこか懐かしさを感じさせるものだった。
今、僕は茶太郎の母親である千恵子おばさんのアパートにいる。
築年数40年、間取りは玄関を開けるとすぐキッチンのあるタイプの2DK。
最後に遊びに来たのは小5の誕生日会の時だから、かれこれもう5年ぶりくらいになるだろうか。
部屋の中は少し雑然としており、TVの後ろの壁には古ぼけたサッカー選手のポスターが貼られている。
シングルマザーである千恵子おばさんは仕事が忙しく、茶太郎も僕かカスミどちらかの家で遊ぶことを好んだため正直この家に関しての記憶は薄い。
おばさんの年齢はもう40代半ばくらいにはなるのだろうか、たしか保険の外交員をしていたはずだ。
こちらを少し心配そうな様子でうかがう千恵子おばさん。
仕事の疲れもあるのだろうか肌の色が少しくすんでいるようにも見える。
元々ふくよかだった体型は、加齢のせいか以前見た時よりも全体的にたるんでいるようにも思える。
先刻の公園でのイザコザで僕の制服のシャツは返り血ですっかり汚れてしまっていた。
結局、シャツを着替えさせるとの理由で僕は半ば無理やりこの部屋へと引っ張ってこられたのであった。
「ねぇ……、良かったらこっちに来て少しお話しない」
千恵子おばさんがそう言いながら部屋の真ん中に置かれたダブルベッドにゆっくりと腰掛ける。
「ハ、ハイっ!」
僕は慌てて立ち上がりすぐにベッドへと駆け寄ると勢い良くおばさんの隣りへと腰を下ろす。
「それにしてもずいぶん大きくなったわねぇ」
おばさんが僕を見つめ小さくため息をつく。
「すっかりイケメンになっちゃって……、女の子が放っておかないんじゃないの?」
おばさんが突き出たおなかを揺すってケラケラと楽しそうに笑う。
「そ、そんなこと……」
僕は思わずこちらをのぞき込むおばさんから目を反らす。
ただ間の悪いことに反らしたその視線の先には物干しスタンドが置いてあり、そこには洗濯を済ませたばかりの女性物の下着が無造作に掛けられていた。
目に飛び込んできたやや大きめサイズのベージュ色のブラとパンティーに僕はなんだかひどく落ち着かない気分になってしまう。
そんな僕の視線に気が付いたのか千恵子おばさんがイタズラっぽく笑う。
「あらあら、しばらく見ないうちにシンくんったらずいぶんエッチな子になっちゃったのねぇ」
「す、すいません」
僕はドギマギとしてしまい思わず太ももの上でこぶしをきつく握り締める。
「なんだか、少し汗ばんできたわねぇ……」
たじろぐ僕を横目に見ながら、千恵子おばさんが少しのためらいも見せずにその場にスッと立ち上がる。
おばさんは無造作に髪をかき上げると、僕の目の前で仕事着であろう白いワイシャツと紺色のスカートをゆっくりと脱ぎ捨てて行く。
大胆にもベージュのスリップ一枚の姿となったおばさんは、弾むようにして僕のとなりへと腰を下ろす。
腰掛けたはずみでおばさんの豊満な双丘が上下にたゆんと揺れる。
もう僕の目はスリップを目一杯盛り上げているおばさんの胸の谷間に釘付けだ。
僕ののどがゴクリと音を立てる。
その信じられないような光景に僕の股間は正直な反応を見せる。
「あらっ、どうしたのシンくん……、おばさんのオッパイぷるりんこ見て興奮しちゃったの?」
おばさんが僕のふとももの上にそっと片手をのせ、撫で回すような仕草でその指先を動かす。
千恵子おばさんが至近距離から僕の顔をのぞき込むように見つめる。
その目はもう完全にひとりの“女”の目をしていた。
「シンくん……」
「千恵子おばさん……」
僕たちはただお互いの名前を口にする。
どこからか元気な子供たちのわいわいと遊ぶ声が聞こえてくる。
僕は今起こっていることが現実だとまだ信じられないでいる。
「ねぇ……、昔みたいにチーコおばさんって、ううん、チーコって呼んでいいのよ」
動揺する僕を見透かすかのように、おばさんの瞳の輝きがさらにその強さを増す。
僕はもう決してその瞳から目を離すことができない。
――――そして、
「チーコ……」
ついに僕はその名前を口にする。
ベッドの上でじっと見つめ合うふたり。
千恵子おばさんの目は濡れたように潤んでいる。
ふたつの影はゆっくりと近づいて行き、やがてひとつに重なり合う。
ふたりの間を隔てるものはもう何ひとつとしてなかった。
☆☆☆☆☆☆
――――以下、自主規制。
☆☆☆☆☆☆
ベッドの上でぴったりと身を寄せ熱く見つめ合うふたり。
「チーコ♡」
「シンくぅん……♡」
この日僕は生まれて初めてひとりの女性と体を重ね、心と心がひとつに溶け合うという奇跡の瞬間をこの身を持って体験をしたのだった。
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