第2話


 「は、はぁ…」


 何故だ?何故、女が一人もいない。もしかして、この転生した世界は、女がいない世界…その可能性が出てきた。考え難いけど、転生というものだけでも考え難いのだから、どんなにおかしなことでも、可能性はある。


 「頭がどうにかなりそうだよ。」


 そして、またベッドに戻った。


 「寝たら、元の世界に戻れるかも…」


 確かにそうだ。その#可能性__・__#もあるのだから。


 「おやすみなさい…」


 そして、元の世界に戻れることを信じ、ベッドで寝た。


 ◆◆◆◆◆


 「…もし……」


 うるさいな…なんだよぅ。


 「…食………だ……」


 食?あぁ。ご飯ね。お母さんか。


 「…もし…も……」


 分かった分かった…起きるから…


 「もしもし!!!」

 「うわぁ!!」

 「驚きすぎだよ女君。初めましてかな?」


 お母さんでは無かった。あの公爵か。いや、公爵でもない。公爵とは顔が似ているが、違う人であることは確かだ。


 「初めまして。メイスの弟のリアウスです!」

 「め、メイス?何方のことですか?」

 「あれ?あ、もしかして兄さん、自己紹介してないのかな?」

 「もしかして、公爵の…」

 「そうそう。メイス公爵の弟さ。兄さんに頼まれてお越しに来たんだ。それより、「お母さん」って僕のこと呼ばなかった?」


 何と…口に出てしまっていたのか…


 「「お母さん」だなんて僕を天使とでも勘違いしてるのかい?」

 「天使?何でお母さんが天使?」

 「あれ?知らないのかい?女人神話に出てくる「母」「お母さん」という存在を…」


 やはり、女は神格化されている。ならば、この世界は何らかの現象や事情で女性が絶滅し、そこから何万年も経って女性の存在が幻となっている時代か?しかし、ならばどうやってこの人達は産まれてきたのだ?母体も無くてどうやって…もしかして…男の人が!


 「もしもーし。ボォーっとしてたけど、大丈夫?」

 「あぁ。ごめんなさい、ごめんなさい。」

 「じゃあ、ついてきて。うち、広いから迷子になる人多いんだよね。」


 やはり、さすが豪邸と言ったところだ。広い。そして美しい。異世界に転生するという題材の漫画を何度も読んだことはあるが、全くそれと同じであった。

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異世界に転生しました。と思ったら、男だけの世界で女っぽい僕は公爵様に愛されました。 plutoniumプルトニウム @tarusyo

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