第12話-デート-

 鶴咲家を後とした私は家へとか入りました。だけど、部屋は暗く椿さんがいない。そう思うと悲しくなるのです。そして椿さんの服がベッドに置きっぱなしとされており、私は怒りました。だけど、少しぐらいならいいかな。そう思った私は椿さんの服を着てみたのです。しかし、大きすぎて肩が出てしまいます。まるで肩出しの服だ。そう思い笑っていました。

 

「何してんの?」

 

 その声が背後から聞こえた私はものすごく驚き布団を頭から被りました。だけど、その上から抱きしめられた私は動けなくなりモゾモゾしています。その犯人は椿さんでしょう。今日は遅くなりそうと聞いていたのになぜだ!と思うのでした。そして次の日、私と椿さんは久しぶりのデートへ行くこととなりました。楽しみすぎた私は四時から支度をしていました。そしていつも通り朝ごはんを作り終えると私はお皿に盛り付けてテーブルに置く。朝から上機嫌の私は一人ラジオ体操をしているのでした。そして数時間が経った頃、椿さんが起きてきました。支度もバッチリな私をみて笑っていました。

 

「早すぎだろ」

 

 そう言った。そしてご飯も食べ終わり、支度が完了してようやく外へと足を運んだのです。今日はどこへ行くかって?遊園地ですよ!あの日以来行くか会がなかったことから二年間放置されていたのです。なので今回が正真正銘の初めての遊園地ななです!今回は電車に乗ると言う試練をクリアした私たちは無事電車に乗れたのです。ですが、電車はギュギュ埋めであったため、他の男の人の手などがお尻に当たり、少し不愉快だと感じていました。ですが、椿さんは私の壁となってくれたおかげで私のお尻を守ることができました。そして電車を降りるとそのまま歩き続け遊園地へとついたのです。中に入場するととても広く曲が鳴り響く場所でした。私は子供のようにはしゃいでいると、椿さんが私の手を握ってきました。

 

「迷子になられたらこまっから」

 

 そう言うと強く手を握るのです。それから歩き続け一つのお店につきました。そこはお土産屋さんで、カチューシャなど売っていました。私と椿さんはお揃いのクマちゃんのカチューシャを購入しました。それからいろいろな乗り物に乗ったりと、楽しい時間を過ごしていました。私が喉を渇き、水を買いに行っている間椿さんはベンチでお留守番です。それもあるため私は急いで水を買うと戻りました。だけど、私はみてはいけないものを見たのです。それは、椿さんが知らない女の子とキスをしているのを。

 

「きゃーキスしちゃった。」

 

 その状況からわかることは、無理矢理された。そんなところだろう。しかし私はその事実を受け入れられなかったため逃げた。気づけばお化け屋敷の列へとなれんでいたため入ることとなった。それも知らない人とペアを組んで。私と知らない人は中に入りました。暗く、マネキンの生首が何個も並べられており、怖くはありませんでした。だってマネキンだもの。私は少々呆れながら歩いていました。でも、私は途中から気づいてしまったのです。一番このお化け屋敷で怖いのは、ペアの人だと。ずっと私の方を見ている。いや、きっとただお化け屋敷なのに怖がらない女子が珍しいと思ってるだけだとも考えられるけど、私は少し不気味に感じた。そしてゴールをし、無事に外へと脱出しました。そしてペアの人と一緒に歩いていると、椿さんがいたのです。椿さんは私が見知らぬ男性と歩いているのをみると言った。

 

「その男誰だよ」

 

 怒っている。そう分かったのだ。私はなんといえば良いのかが分からなくなった。そして椿さんが私の手を握ると早歩きでその場をさった。そしてベンチに座ると聞いてきた。

 

「あの男誰なんだろ。」


 私は一生懸命説明した。だけど、彼のキスのことも気になり心がモヤモヤで耐えられない。椿さんは私の事情を理解してくれたのだが、何か悩んでいると思ったのか、何か聞きたいことがあるのか聞いてきた。

 

「さっき、水買いに行ってる時見ちゃったんです。女の子とキスしてるの。」

 

 私がそう聞くと椿さんは答えた。

 

「あれ、女の子が転びかけて助けたんだけどそのままキスされちゃって、したくてしたわけじゃないんだ。」

 

 簡単に言えば女の子がイタズラでキスをしてきたらしい。私はそれを知り少しホッとしたが、椿さんの顔の前へと行くと、キスをした。生ぬるくとろけるキスが待っていたのだ。そして糸を引き止めると共に椿さんが喋ろうとしたため、私は口に人差し指を当て言った。

 

「消毒完了ですね。」

 

 その姿に誰もが心を奪われるのでした。それから私たちは再度いろいろな乗り物へと乗り、最後に夕日が輝く夜に観覧車に乗った。観覧車の中ではとろけるキスを何度も繰り返し、それ以上のこともしたくなるほどであった。だが、そんなことをできるはずもなく、私たちはそのまま家へと帰りました。そして家に着いた途端キスをされた私は驚きと共にお腹がなり、夜ご飯を作るのでした。そして次の日、私は熱を出しました。原因は昨日ものすごくはしゃいだからでしょう。私は子供なのか。そう思うほどに。椿さんは仕方なく有給を取ったらしい。なので今日は二人ずっと一緒です。それにしてもこの部屋はとてつもなく暑い。スーパーへ買い物に行っているから椿さんはいないので、保冷剤など取りに行けません。そして私は思いついたのです。服を脱げばいいではないか!と。そしてパジャマを脱ぐと私の格好はシャツとパンツの状態となりました。熱のある私は恥ずかしいなど感じなかった。それよりも涼しい。その気持ちだけが私の心を支配していました。それから数分後。椿さんが帰宅しました。帰宅した先には床にへばりついたシャツとパンツの女がいるのでした。それを見た椿さんは一瞬戸惑った後言いました。

 

「起きてくださーい。このままじゃ風邪悪化しますよ」

 

 それでも動こうとしない私のお尻を椿さんは叩きました。その痛みで起きた私は寝ぼけています。椿さんの体に自分の胸を押しつけたのです。自分で言うのもなんだが、自分胸がでかいと言う自信があったのです。だから、これは椿さんへのご褒美なのです。そう言うと椿さんに抱きつき眠る。椿さんは困ったかのような顔をしたまま私のことをお姫様抱っこしてベッドへと戻すのでした。その次の日私が目を覚ますと椿さんがぐったりしていました。それはきっと私の風が映ったのでしょう。それで次は私が椿さんの看病をしよう。そう決めたのです。まずは汗だくの彼の背中を濡れたタオルで拭きます。汗を取らないと汗疹になってしまうのでなるべく丁寧に素早くやりました。それからは普通に寝かせた後、お粥を作ります。材料は昨日椿さんの買ってきた余り物で作ります。まずは米を炊かなきゃ行けなかったので、ガスコンロを用意します。実は今炊飯器が壊れているため、米はキャンプと同じく1から炊くのです。そのため時間がかかるので、ご飯はいつも二時間前に炊きます。その間にネギなどを切り用意します。ある程度おかゆの米がだけてきたならばそれを取り出して、卵のお粥へと変身させるのです。またその間にリンゴ、オレンジ、ブドウと貰い物のフルーツを切ると、美しくお皿に盛る。それが最近の私の趣味へとなっている。だが、今日は特別にりんごを剃る。剃るのと思っている以上に忙しい。手は痒くなるし、リンゴの大きさが小さくなるにつれ剃るのが大変となるし、もうヘトヘトです。だけど、彼のためだと思えばどれだけでも作ることが可能です。それから時間は経ち、全ての料理が完成いたしました。椿さんの元へ持っていき起こします。起きた椿さんは私の作ったお粥を食べていいました。

 

「なんだこれ」

 

 その言葉はマズイの方なのか美味しい方なのかがわからない。だから私の心はモヤモヤへと包み込まれました。そして椿さんはオドオドしている私の姿を見るとからかいながら言った。

 

「うーん。なんなんだこれは」

 

 それを何度も繰り返す椿さんに私は怒っています。だけどその姿がなんとも言えないほどに可愛く、椿さんの心もすぐに恋のキューピッドに撃ち抜かれるのでした。それから時間は経ち椿さんが寝ている間に自分のものの片付けを始めました。初めてもらったプレゼントの髪飾り。椿さんからもらったネックレスと指輪。それ以外ほとんどなく、自分でもびっくりしました。私って荷物少ないんだな。そう思ったのです。それから次の日には椿さんの風邪も良くなり、みんな絶好調でした。

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