第30話 芽吹き
1年後、
赤壁の家にたまたま学校帰りの小学1年生が3人入って来る。
玄関に入るが玄関にいる黒い影を見て笑う。
次に居間に入るとソファーが飛んでくるが歓声を上げて台所へ行く。
台所では包丁が飛んでくるが気づかずに行ってしまう。
そして、歓声を上げながら手前から居室に入って行く。
3番目の一番奥の部屋に入ると
3人に少女の声で声が当た名の中に聞こえてくる
「最初はお前、次にお前、最後にお
前、3日、3日、3日・・・」
声を聞いた3人は
「1番。」
「2番。」
「3番。」
と言ってはしゃぎ、帰って行く。
3日後、1眼目の子供が川でおぼれて死ぬ。
2番目の子供が親に言う
「僕、2番だから今度死ぬの。」
親は何のことか分からない。
3日後、2番目の子供が車にはねられる。
3番目の子供が親に言う
「僕、3番だから今度死ぬの。」
母親は聞く
「1番と2番はどうしたの。」
「死んじゃった。」
母親には心当たりがある息子の友人が2人死んでいるのである。
彼女は息子を守ろうと必死になる。
息子を一歩も外に出さないようにする。
そして、24時間そばに置き監視する。
3日後、母親の疲れがピークに来ている。
彼女はうたた寝をしてしまう。
息子はベランダに出る。
母親が起きると息子がいない、彼女は必死に探す。
ベランダの窓が開いたままになっている。
彼女はベランダに出るがいない。
おそるおそるベランダの下を見る。
母親は半狂乱になる。
息子は地面の上で動かなくなっている。
まだ、赤壁の家は人を呪う力が弱く、芽吹きの時を待っている。
赤壁の家はネットでは有名な心霊スポットのままである。
しかし、ほとんどが居間のポルターガイストに遭って逃げ帰っている。
たまに台所まで来る者もいたが包丁が飛んでくるためそこで断念している。
そのためネット上では一番奥の部屋はほとんど知られていない。
しかし例外は現れる。
深夜、県外ナンバーの車が赤壁の家の前に停まる。
2人の若い男性が降りてくる。
2人は心霊スポットの渡り歩くユーチューバーである。
撮影をしながら解説してゆく。
「今から噂の赤壁の家に入ります。」
玄関のドアを開ける、カギが壊れておりカギはかかっていない
ギ~
と音を立ててドアが開く。
玄関に入ると黒い影が現れる
「さっそく出ました、黒い幽霊で
す。」
2人は怖がることなく撮影を続ける。
次に居間に入る、ソファーが浮き上がり飛んでくる
「スッゲー、ポルターガイストです、
まじもんだよ。」
ポルターガイストにテンションが上がる。
つつけざまに台所に行くと包丁が飛んでくる
「見ました、今死にかけました、包丁
飛んできたよー」
2人は足を止めない。
3つの居室を手前から撮影してゆく、1つ目、2つ目は何も起きない。
「とうとう最後の部屋になりました
ー、行きましょ。」
3つ目の一番奥の部屋に入る。
しかし、何もない。
「居ませんねー、今夜はここまでか
な。」
その時、2人の頭の中に少女の声が聞える
「お前たち、死ぬ、死ぬ、死
ぬ・・・」
2人は顔を見合わせる。
そして解説を入れる
「今、霊界からメッセージがありまし
た、俺たち死ぬそうです。正解は次
回でよろしく。」
2人は何事もないように引き上げていく。
3日後の午前2時頃、山道で転落事故が起きる。
車はユーチューバーのものである。
ユーチューブ配信後のユーチューバーの事故死は反響を呼ぶ。
赤壁の家への来訪者が増え始める、しかし、一番奥の部屋へ行ける者はいなかった。
ほとんどが居間のポルターガイストに遭って逃げ帰っているのである。
残りも台所で引き返している。
一番奥の部屋の怨霊は徐々に力を付けてきている。
しかしまだ呪いを発動する力はない、来訪者に死のきっかけの呪いをかけるのが精一杯である。
ネット上では赤壁の家は全国で有名な心霊スポットになり、その中でも最恐として知られるようになる。
だが、坂井町の住人の記憶からは消えている。
たとえネットで見聞きしても次の日には忘れているのである。
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