第20話 再び始まる恐怖 

 早苗さなえあや恵子けいこ咲子さきこの4人は自宅から大学に通学している。

 彩と恵子は同じ大学に通学しており仲がいいい。

 高校を卒業してからも4人は休みの日に一緒に行動することが多い。

 いつもはカラオケに行ったり、買い物に行ったりしている。

 そのうち、それぞれ大学に友達ができ、休日に4人集まることも少なくなっていく。

 しかし、4人が久しぶりに会うことになる。

 早苗が言う

   「赤壁の家に行きましょうよ。」

咲子が止める

   「みおが行くの反対していたでし

    ょ。」

   「だから去年行けなかったのよ。」

   「でも、亜紀あきたちのこともあるわ

    よ。」

彩が言う。

   「健二けんじたちは大丈夫だったわよ。」

早苗はどうしても行きたいらしい。

   「なら、明るいうちに行きましょ。」

恵子が言うと早苗は

   「夜じゃないと意味ないでしょ、私た

    ち大学生よ、明るいうちに行ったら

    肝試しにならないわ。」

咲子が

   「早苗、何か隠しているでしょ。」

   「わかる。」

   「さっさと吐きなさい。」

   「大学の友だちと勝負したんだ、一番

    奥の部屋に行けるかどうかって。」

   「友だちはどうだったの。」

   「居間まで行って引き返してきた。」

   「私、臆病者て言ってしまったの、だ

    から奥まで行きたいのよ。」

   「仕方ないなー」

   「みんな、お願い。」

4人は夜、赤壁の家に行くことになる。

 昼のうちに懐中電灯を用意し、カラオケで時間をつぶす。

 そして、夜7時、赤壁の家に着く。

 木造平屋の建物は居間に3つの居室と台所からできている

 家は林に囲まれ周りには灯りがない。

 建物は黒く浮かび上がり、幽霊屋敷として十分な雰囲気を出している。

 彩が言う

   「本当に行くの。」

咲子が言う

   「やっぱりやめた方がいいんじゃな

    い。」

   「行くわよ。」

早苗は先頭に立って歩きだす。

 玄関にたどり着く、早苗が恐る恐る玄関ドアのノブに手をかける。

 引っ張るとギ~ッと音を立てながら開く、カギは壊れておりかかっていない。

 玄関を懐中電灯で照らすと黒い影が浮き出る。

 4人はパニックに陥り、お互いぶつかり合うそして居間へ逃げ込む。

   「もう嫌だー」

と彩が言う。

 するとソファーが4人目掛けて飛んでくる。

 4人は混乱しながらソファーを避ける。

 恵子が言う

   「もう帰りましょ。」

   「でも玄関にいるわよ。」

咲子が言う。

 彩は泣き始めている。

 早苗が

   「とにかく台所へ行きましょ。」

台所に入ると包丁が飛んでくる。

 4人は青くなり廊下へ飛び出る。

 廊下で4人は息をつきながら座り込む

   「これやばいよ。」

   「私はやめようと言ったのよ。」

   「ひきかえそうよー」

彩、恵子、咲子が口々に言う

   「あともう少しよ。」

早苗が言う

   「早苗一人で行けばいいでしょ」

彩が泣きながら言う

   「早苗一人にできないでしょ。」

咲子が彩とたしなめる。

 4人はしばらく休む。

 彼女たちは引き返すことのできる最後の場所に来ている。

 ここら先、3つ目の居室に入れば手遅れとなる。

 早苗が

   「行きましょ。」

と声をかける。

 3人は仕方がないという感じで従う。

 手前の部屋から入ることになる。

 それは、彼女たちの運命が決まった瞬間である。

 1つ目の部屋に入る、

 部屋の中には机と本棚、ベットがある。

 懐中電灯で照らすが何も起きない

   「大丈夫でしょ。」

早苗が安心したような声で言う。

 4人ともホッとする。

 2つ目の部屋に入る。

 部屋の中には机とベットがある。

 懐中電灯で部屋を照らすが何も起きない

   「もう大丈夫なの。」

彩が聞く、早苗が

   「もう何も起きないって。」

と答える。

 3つ目の部屋に来る。

 早苗はドアを開けようとするが手が止まる。

 何か圧迫感を感じたのだ

   「どうしたの早苗。」

彩が聞く、圭子が

   「ここやばくない。」

と言い出す

   「うん、やめた方がいいと思う。」

   「どうしたのよ、あと1つよ。」

早苗が言う。

 彩が

   「ここでいいんじゃない。」

と妥協案を出す

   「しかし早苗は亜紀たちだってこの部

    屋に入ったのよ。」

   「そうね。」

恵子が同意する。

 そして、早苗は一番奥の部屋に入る。

 部屋の中には机と本棚、ベットがある。

 部屋の中を照らすが何も起きない。

 早苗はスマホで写真を撮ると大学の友人にLINEで送る。

 直ぐに返信が帰って来る

   直ぐに逃げて

とある。

 自分の撮った写真を見ると黒いもやが写り込んでいる。

 早苗は体に寒気を感じる。

 早苗は叫ぶ

   「今すぐ出るわよ。」

しかし、遅かった。

 4人の頭の中に声が響く、若い女の声であるが、ひどく翳りのある声である

   「最初はお前、次はお前、その次はお

    前、最後にお前、3日、3日、3

    日・・・」

声は小さくなっていき聞こえなくなる

   「何今の声。」

早苗が言う

   「みんなも聞こえたの。」

彩が言う、続いて恵子が言う

   「女の声がしたわ。」

   「何の順番かしら。」

咲子が質問する。

 4人は黙り込む、そして段々震えが出てくる。

 それからは我先に外に向かって走り出す。

 気づくと4人は赤壁の家の外に出ている。

 時間は夜8時を過ぎている1時間以上家の中にいたことになる

   「順番でどうだった。」

彩が言う、4人で確認すると早苗、彩、恵子、咲子の順番である。

 4人は相談する。

 しかし、何が起こるか分からない。

 早苗が提案する

   「お祓いしてもらうのはどお。」

   「お祓い。」

咲子が聞き返す

   「さっき連絡した友達お寺の子なの、

    頼んでみる。」

3人は同意する。

早苗の携帯にLINEの連絡が来ている、みんなに説明していた友達だ。

   大丈夫

   大丈夫だよ、でも頭の中に変な声が聞

   えたの

   どんな声

   若い女の声で「最初はお前、次はお

   前、その次はお前、最後にお前」と言

   っていた

   何それ

   お願いがあるんだけど

   何?

   あなたのお寺でお祓いして欲しいけど

   分かった、お父さんに頼んでみる

早苗は友達の芳美よしみにお祓いを頼んでもらうことにする

   「お父さんにお祓い頼んでみるっ

    て。」

早苗が報告する。

 3人は一安心する。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る