第11話 探偵の情報
純教は樹の顔を見ると
「呪い屋が何の用だ。」
「手を貸して欲しい。」
「殺しの手伝いをすると思うのか。」
「いいや、今回は人の命を助ける。」
「呪い屋が何を言っている。」
純教は笑い出す
「真剣な話だ。」
「お断りだ。」
「頼む。」
「俺は、祓い屋が嫌になって辞めたん
だ、お前も知っているだろ、大体、
呪い屋と組むなんて御免だ。」
「相手は怨霊だ、手強いんだ。」
「それなら
い。」
「清純さんはかなわなかった、良賢さ
んは呪いにかかっている。」
「お前、良賢さんを呪ったのか。」
「いや、家長が呪った。」
「そんなことしているから、いざと言
う時に困るんだよ。」
「言う通りだ、だが、呪い屋にも事情
がある。」
「それで俺に泣きついて来たのか。」
「言う通りだ。」
「もう帰れ。」
「出来ない、お前には来てもらう。」
「しつこいぞ。」
「この通りだ。」
樹は土下座をして頼む
「そんなことをしても無駄だ。」
「なら、話だけでも聞いてくれ。」
「話だけだぞ。」
樹は
女子高生が4人で赤壁の家という所に
肝試しに行き、そこで怨霊の声を聞き
呪われてしまったこと。
1人目は3日後に自分の部屋で死んで
しまってこと。
お祓いをしようとした和尚が呪われ恐
怖に歪んだ顔をして死んでしまったこ
と。
娘たちの親が祓い屋を2人、
と
し、哲也は重傷を負ったこと。
呪いに関わっていた父親も呪われてし
まったこと。
2人目が殺される夜、
うとしたが2人とも殺されてしまった
こと。
自分は4人目の娘の親に依頼されてい
ること。
樹の話に純教は震えを覚える。
純教は樹に言う
「やめておけ、これはやばすぎる、お
前も殺されるぞ。」
「退き際はわきまえている、しかし、
死ぬかもしれないな。」
「俺に死ねと言うのか。」
「そうだ、命がけだ。」
純教は考え込む。
樹は既に依頼者に肩入れし過ぎている。
いつもは冷静である彼がどうして・・・
「樹、どうしたんだ、おかしいぞ。」
「どういうことだ。」
「いつもなら、本当に危ないことは避
けてきたじゃないか。」
「分からない、放っておけない、い
や、違うな・・・」
「お前も影響を受けているんじゃない
のか。」
「呪われていればすぐに分かるよ。」
「ならどうして。」
「この仕事を引き受けたいだけさ。」
「俺を巻き込んでか。」
「そうだよ。」
「ご指名じゃ仕方ないな。」
「ありがとう。」
「怨霊に勝てるかは分からないぞ。」
「それは同じさ、俺の術が呪いに通じ
るかは分からない。」
「俺が失敗したら、逃げろよ。」
「一晩くらいは持たせるさ。」
草薙純教は五條樹と共に呪いに関わることになる。
高志は探偵の
しかし神谷は誘いを断る。
高志は神谷に聞く
「どうしたのですか、少しやつれてい
るように見えますが。」
「分かりますか、今日の報告が最後と
なるでしょう。」
「まさか、赤壁の家に行ったのです
か。」
「はい、私はあなたの話を半信半疑で
聞いていました。」
「それはそうでしょう、今の時代に呪
いなんてと思います。」
「それで確かめに行ったのです。」
神谷は高志の話を聞いた後、赤壁の家に行っている。
彼はカメラで写真を撮りながら玄関を入る。
彼はこの時、オカルトの
カメラで写真を撮りながら玄関から居間に入る。
壁に掛かっている絵を撮っていると、突然ソファーが動き出し跳ね飛ばされる。
神谷は受け身をとって難を逃れる。
ポルターガイストストに彼は青くなる。
自分は踏み込んではいけない領域に来てしまっていると考える。
そして台所へ行く、すると包丁が3本、宙に浮いている。
彼は慌てて台所からでる。
廊下に出ると居室が3つある。
1つ目の部屋に入り、本棚と机を調べる。
そして写真を撮る。
2つ目の部屋に入り、机を調べる。
最後に一番奥の部屋、3つ目の部屋に入る。
すると神谷の頭の中に
「お前、3日、3日、3日・・・」
と若い女の
今日は木曜日である、3日後、日曜日に何があるのか。
高志の話によれば、3日後に呪い殺されることになるのか。
とりあえず頭を切り替え部屋を調べることにする。
本棚、机と調べる。
本棚の本は恋物語りの本が多い。
机の引き出しにはノートと日記がある。
ノートには自作の物語が書かれている。
日記は家に閉じ込められ陰鬱とした気持ち、自分の生まれを呪う気持ち、誰かが連れ出してくれる期待か描かれている。
この部屋の住人は外に出たがっていたようである。
そして家を出る、神谷は高志の話を信じることにする。
自宅に帰って、彼は驚く、カメラの画像データを調べた時、居間と一番奥の部屋の写真に黒い影が映りこんでいる。
彼はこれらがポルターガイストストと声の正体だと確信する。
神谷は高志に調査結果をレポートにして渡す
「あの家に住んでいたのは
です、15年前まで住んでいまし
た。」
「それから誰か住んだのですか。」
「いいえ、持ち主は何度か変わってい
ますが1度も住んでいません、今は
東京の不動産会社が持っていま
す。」
「あの家には加賀さんしか住んでいな
いのですね、娘さんはいました
か。」
「はい、世帯主は
です。」
「3人家族ですか。」
「長女のひなは病弱で学校へ入ってお
らず、18歳で亡くなっていま
す。」
「若くして亡くなられたんですね。」
「両親は15年前にあの家で自殺をし
ています。」
「自殺ですか。」
「理由は分かりませんでした。」
「娘さんについて何かわかりました
か。」
「はい、親戚にも聞いて回ったんです
が、ほとんど親戚付き合いはしてい
なかったようです、ただ娘さんは鬼
子だと言われていたようです。」
「どういうことですか。」
「不思議な力を持っていたようで恐れ
られていたようです。」
「何かしたのでしょうか。」
「それがはっきりしないのです、みん
な黙ってしまって。」
「他に娘さんが外に出たがるようなこ
とはありませんでしたか。」
「高木さんも調べていたようですね、
ひなは部屋に軟禁されていました、
家から出ることはありませんでし
た。」
「そうですか。」
「一家の墓は坂井霊園の中にありま
す。」
「ありがとうございます。」
「詳しくはレポートを読んでくださ
い。」
「分かりました。」
「私は木曜日に赤壁の家に行きまし
た、呪われていれば、明日の日曜日
に死にます。」
「私も先ほど行ってきました。」
「そうですか、私はあれから食事が喉
を通りません、情けないですよ
ね。」
「いいえ、私も必死なだけですし、い
つ死ぬのか分からないのです。」
「どういうことですか。」
「私は、携帯であの声を聞いたので
す、そして呪われました。」
「あそこに行かなくても呪われるので
すね。」
「はい、お祓いをしようとした和尚さ
んも呪い殺されています。」
「そうなのですね、呪いが解けること
を願っています。」
神谷は高木家を後にする、二度と会えないだろう。
高志は霊園に行き墓を参ることと親戚に聞いて回り娘の力の正体について調べることを考える。
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