第6話 2人の祓い屋
彼は
「電話した
「
か。」
「赤壁の家を調べて欲しいのです。」
「その家の何を知りたいのですか。」
「その家に住んでいた住人すべてと墓
があればその墓の在りかです。」
「事情がありそうですね、お聞きして
もよろしいですか。」
「はい、私の娘が赤壁の家で肝試しを
しまして呪われたようなんです。」
「呪いなら呪い屋に頼んだ方がいいの
ではないですか。」
「呪い屋ですか。」
「はい、
す。」
「分かりました、調査はお願いしま
す。」
「はい。」
高志は呪いの専門家について調べることにする。
そして彼は貞観寺へ向かった。
高志と
しかし、祓い屋の業界では赤壁の家は有名らしく名前を出しただけで断る祓い屋が多くいる。
そしてリストの中で仕事を引き受けたのは2名だけである。
高志と早紀の父親2名とも雇うことにする。
2名ともネットでの評判は良かった。
金曜日の午前中、高志と早紀の父親は赤壁の家の前で2人を待つ。
先に来たのは佐伯哲也である。
まだ35歳の若さでいくつもの悪霊を退治している強者である。
哲也は、もう一人雇っていると聞いて不快感を示す。
高志が説得する
「これは人の命がかかっています、お
祓いをした僧侶は死んでいます。」
「それは聞いている、俺の力を信じな
いのか。」
「いいえ、期待しています、しかし万
全を期するために共闘して欲しいの
です。」
「仕事は受ける、せっかくの赤壁の家
だ名をあげるのにちょうどいい。」
「共闘はしてくれないのですか。」
「だめだ、先に行かせてもらう。」
哲也は1人で赤壁の家に入って行く。
玄関を入ると黒い霊がいる、哲也はお経をあげる。
すると黒い霊は姿を消す。
哲也はそのまま廊下へ出る、そして一番奥の部屋を目指す。
しかし、背中に激痛が走る、哲也の背中には包丁が刺さっている。
そして振り向くと廊下に黒い
黒い靄は2本の包丁を包むようにして持っている
「後ろを取られるとはまずったな。」
哲也は独り言を言う。
彼は悪霊の気配を察知できないでいた。
2本の包丁が哲也を目掛けて飛んでくる。
哲也が赤壁の家に入って30分以上経つが出てくる気配はない。
高志は待ちきれずに哲也の携帯電話に電話する
コールを続けると電話に出る
「だしてー、だしてー、だして
ー・・・」
若い女の
高志は思わず電話を切る。
女の声が耳の中に残る。
早紀の父親が
「電話出たんじゃないですか。」
「ああ、若い女の声が聞えた。」
高志が言う、早紀の父親は青くなる。
「どうしましょう。」
高志が早紀の父親に聞く
「警察呼びましょうか。」
「でもこれ不法侵入ですよね。」
2人は考え込む。
「またせたのう。」
そこへ小池清純が到着する。
高志は清純に
「もう1人、佐伯哲也を雇っていまし
た。」
「奴の姿が見えないな。」
「彼は30分以上前に赤壁の家に入り
ました。」
「時間がかかり過ぎだのう。」
「彼の携帯に電話すると若い女の声が
聞えました。」
「そうか、哲也はやられてしまったか
の。」
「どうしますか。」
「わしの仕事をするまでのこと、哲也
は生きていたら拾って来てやる。」
清純はゆっくりと赤壁の家に向かう、80歳近い老人だが足取りはしっかりしている。
そして玄関を入ると黒い霊がいる。
清純は
黒い霊ははじけるように霧散する。
そして哲也と同じくそのまま廊下に出る。
すると佐伯哲也が多量の血を流して倒れている。
清純は悪霊の気配を感じ台所の方を見る、そこには黒い靄を纏う悪霊がいる。
悪霊は包丁を3本黒い靄で包むようにして持っている。
「あれにやられたか。」
清純は独り言を言う。
そして丹田に力を込めて柏手を打つ。
悪霊はしびれたように動かなくなる。
彼の力では悪霊を除霊することが出来ない。
清純は哲也を担いで玄関へ向かう
「これはわしの手におえんわい。」
独り言を言いながら外に出る。
高志と早紀の父親が駆け寄ってくる。
2人は哲也を担ぎながら清純に質問する
「片付いたんですね。」
「いいや。」
「どういうことですか。」
「わしの力では中の悪霊すら退治でき
なかった、とても一番奥の部屋にた
どり着くのは無理じゃ。」
清純ははっきり言う、早紀の父親が
「そんな、早紀は今夜、殺されてしま
うんですよ。」
「あんなものに対抗できる者をわしは
知らない。」
高志が聞く
「呪い屋ならどうですか。」
「わしは呪いは分からん、五條家が有
名だが代金が高いぞ。」
「連絡先を教えてください。」
「分かった。」
高志は五條家の連絡先を教えてもらう。
佐伯哲也は救護隊に連絡し病院に搬送してもらう。
彼は重傷だったが一命をとりとめる。
早紀の父親は頭を抱え嘆く
「どうしたらいいんだ。」
「まだ呪い屋がいます。」
「今から探していたら間に合わな
い。」
「呪い屋をリストアップしています、
この中から当たってください。
「ありがとうございます。」
「私は五條家に連絡します。」
2人の次の行動が決まる。
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