第4話 ネットの噂

 早紀さきは父親が帰宅すると赤壁の家のことを話し始める

   「友達が死んだの、赤壁の家に行った

    せいだわ。」

   「2人で行ったのか。」

   「いいえ、亜紀あき百合ゆりあおいとの4人

    よ」

   「そこで何があった。」

   「声が頭の中に聞こえたの、最初はお

    前、次はお前、その次はお前、最後

    にお前」

と言っていたの。

   「早紀は何番目だ。」

   「2番目よ、1番目の亜紀は昨日死ん

    だの。」

   「今夜、死んでしまうのか。」

   「いいえ、3日と言っていたから3日

    後よ。」

   「どうしたらいいんだ。」

   「みおという子がお祓いしたらと言う

    んだけど、お坊さんお祓いできるか

    しら。」

   「今から定海ていかいさんに電話で聞いてみる

    よ。」

   「お父さんありがとう。」

父親は貞観寺じょうがんじの定海和尚に電話をかける

   「うちの娘の件でお願いがあるのです

    が。」

   「何かありましたか。」

   「はい、赤壁の家という所に4人で肝

    試しに行ったのですが、祟られたの

    かそのうちの1人が亡くなりまし

    た。」

   「それは、いけませんな。」

   「お祓いはできないでしょうか。」

   「お任せください、お友達も一緒に祓

    いましょう。」

   「明日の放課後に娘たちを行かせます

    がよろしいでしょうか。」

   「分かりました、お待ちしていま

    す。」

そしてあすの放課後お祓いをすることになる。


 百合は父親に赤壁の家のことを話す

   「私たち4人で赤壁の家に行った

    の。」

   「肝試しか、まだ子供のつもりか。」

   「そこで声を聴いたの最初はお前、次

    はお前、その次はお前、最後にお前

    て言っていたわ。」

   「空耳だろ。」

   「そして亜紀が死んだの。」

   「偶然じゃないか。」

   「友達が死んだのよ」

   「それは大変だったな。」

   「お父さん、冷たいよ。」

百合の父親はこれ以上取り合わない。


 葵も父親に赤壁の家のことを話す

   「友達と4人で赤壁の家へ行った

    の。」

   「心霊スポットだろ、肝試しか。」

   「はい、最初は肝試しだったんだけ

    ど。」

   「何かあった。」

   「一番奥の部屋に行くと頭の中に声が

    聞えて来たの。」

   「どんなこと。」

   「最初はお前、次はお前、その次はお

    前、最後にお前と言っていたわ。」

   「葵は何番目。」

   「最後よ。」

   「で何が起きるの。」

   「亜紀が死んだわ、1番目の子よ。」

   「他の子は誰。」

   「早紀と百合よ。」

   「どうしたらいいかな。」

   「早紀がお父さんにお祓いを頼んでく

    れることになっているわ。」

   「お祓い?」

   「みおと言う子がお祓いしたらと言っ

    てくれたの。」

   「その子はお寺の子。」

   「違うけど赤壁の家に行くことすごく

    反対していたの。」

   「そうか、その子の言うこと聞いてい

    ればよかったね。」

   「うん。」

 高木高志たかぎたかしは早紀と百合の親に連絡することにする。

 最初に赤城早紀あかぎさきの父親に電話する

   「赤城さんの電話ですか。」

   「はい。」

   「私は葵の父親の高木です。」

   「例の件ですね。」

   「はい、お祓いはどうなりました

    か。」

   「明日、放課後、貞観寺で行うことに

    なりました。」

   「そうですか、ご一緒させてもらって

    もいいですか。」

   「はい、そうぞ。」

   「では、失礼します。」

 次に川中百合かわなかゆりの父親に電話する

   「川中さんの電話ですか。」

   「はい、そうです。」

   「私は葵の父親の高木です。」

   「夜に何の用ですか。」

   「娘さんから赤壁の家の件は聞いてま

    せんか。」

   「聞いてますよ、子供の言うことをま

    ともに聞いているのですか。」

   「しかし、既に死人が出ています。」

   「偶然ですよ、他に何があります

    か。」

   「分かりました、失礼します。」

高志は話すことを諦め電話を切る。

 彼はネットで赤壁の家に着いて調べる。

 やはり心霊スポットとして有名なようだ

 県下でも1,2位を争う怖い場所であるらしくいろいろ載っている。

 黒い幽霊にポルターガイストの話がほとんどである。

 高志は書き込みをいろいろ探していく。

 すると、奥の部屋について書かれた書き込みにたどり着く。

 書き込みには

   これを読んで赤壁の家には近づかない

   ようにしてください。

   私たち3人は、ポルターガイストなど

   にあいながら奥の部屋にたどり着きま

   した。

   そこで頭の中に響く声を聴きました。

   それは1人づつ呪い殺す順番を告げる

   ものでした。

   私の他の2人は既に死んでいます。

   死に顔は恐怖で歪んでいました。

   私たちは呪いを解くためにお祓いをし

   たり、霊能者を頼ったりしましたが全

   て無駄に終わりました。

   あの呪いは解けません。

   だから赤壁の家の一番奥の部屋には行

   ってはいけません。

   もうすぐ、私の番が来ます、さような

   ら。

と書かれている。

 高志は絶望的な気分になる。

 しかし、高志は諦めない、ネットの噂を探して祓い屋をリストに上げていく。

 作業を終えた時、空はしらんでいる。


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