第2話 始まる恐怖

 高岡亜紀たかおかあき早苗さなえに言う

   「どこまでいったら怖がりじゃない

    の。」

   「それは一番奥の部屋じゃないの。」

   「行けるわけないだろ。」

健二けんじが割り込む

   「で、夜に行ったの。」

   「昼だよ。」

   「肝試しって夜にやるんじゃない

    の。」

   「あそこはやばいって。」

健二が抗議する。

   「怖がりさんは黙っていて、私たちは

    夜に一番奥の部屋に行くわ。」

   「いいでしょ。」

亜紀はいつも一緒に行動する友達に言う。

 赤城早紀あかぎさき川中百合かわなかゆり高木葵たかぎあおいの3人は

   「行きましょ。」

と賛成する。

 みおが亜紀に言う

   「あそこへ行くつもり。」

   「ええ、そうよ。」

   「絶対だめよ。」

   「あなたも怖がりさんね。」

   「あそこは肝試しでは済まないわ、や

    めて。」

   「しつこいわよ。」

みおは黙るしかない

 亜紀たちは、土曜日の夜9時に亜紀の家に集まって、懐中電灯など持ち物を確認して赤壁の家に向かう。

 夜10時近くにその家に到着する。

 赤壁の家の周りには照明は無く、黒い影が浮かんでいる

   「雰囲気あるなー」

早紀が言うと亜紀が

   「このくらいで飲まれていてはこの先

    もたないよ。」

   「大丈夫だよ。」

早紀が答える。

葵が亜紀に

   「やっぱり、やめない。」

と言い出すが

亜紀は

   「怖いなら帰りなさい。」

と取り合わない。

 4人は玄関を入る、

   「玄関の中を懐中電灯で照らすが何も

    いない。」

   「何も出ないじゃない。」

亜紀がつぶやく。

 残りの3人はホッとする。

 次に居間に入る。

 そこにはソファーとテーブルが置かれている。

 するとソファーが床を滑って来る。

 4人はソファーを避ける

   「これやばいんじゃない。」

百合が言う

   「怖いよ、やめようよ。」

早紀が言う

   「そうしない。」

葵が言う

 しかし亜紀は

   「こんなこと初めから分かっていたで

    しょ。」

と取り合わない。

 次に台所にはいる、すると包丁が1本飛んできて壁に刺さる。

 葵の顔をかすめている。

 葵は腰砕けになる

   「ダメよ、帰ろ。」

百合が言う、亜紀は

   「ポルターガイストでしょ。」

   「葵が死にかけたんだよ」

百合は引かない。

   「葵、大丈夫。」

   「びっくりした。」

   「もう帰りましょ。」

百合がいう。

 ここが彼女たちが引き返すことのできる最後の所であった

   「大丈夫だよ、腰が抜けているけ

    ど。」

葵は勇気を振り絞って言う。

   「でも、もう危ないよ。」

百合は引き返したかった。

   「少し廊下で休んでから行きまし

    ょ。」

亜紀が言うと

   「まだ続けるつもり。」

百合が抗議する。

   「何言っているの、ここまで来たの

    よ、あと少しじゃない。」

亜紀はクラスで大口をたたいたこともあり引き返すことはできない。

   「私は1人でも行くわよ。」

   「分かったわ。」

百合は引き下がるしかない

   「仕方ないよ。」

早紀が諦め顔で言う

   「亜紀は言い出したら、曲げないか

    ら。」

葵も言う

 彼女たちの運命が決まった瞬間である。

 手前の居室から見ていく。

 1つ目の居室に入る。

 ベットと机がある。

 懐中電灯で中を照らすが何も起きない

   「ほら、大丈夫でしょ。」

亜紀が安心したように言う。

 3人も内心ホッとする。

 2つ目の部屋に入る。

 この部屋にもベットと机がある。

 ここでも何も起きない。

 3つ目の部屋に来る、この部屋が一番奥の部屋である。

 何か感じたのか黙っていた早紀が

   「ここやばいんじゃない、やめよう

    よ。」

と言う。

 亜紀は言う

   「ここまで来て何言っているの、ここ

    で終わりよ。」

   「私もやめた方がいいと思う。」

葵も言い出す

百合は

   「やっぱり、引き返そうよ。」

と言う

   「もういいわ。」

亜紀は怒りながら一番奥の部屋のドアを開ける。

 そして中に入る、そして3人も後に続く。

 部屋の中にはベットと机があり、机の上には万年筆が置かれている。

 懐中電灯で部屋を照らすがなにも起きない。

   「ほら、何の起きないでしょ。」

亜紀が言う。

   「これで月曜日には早苗と健二の鼻を

    明かせるわ。」

この時、4人の頭の中に声が響く、若い女の声であるが、ひどくかげりりのある声である

   「最初はお前、次はお前、その次はお

    前、最後にお前、3日、3日、3

    日・・・」

声は小さくなっていき聞こえなくなる

   「今の何。」

早紀が言う

   「順番を言っていたよ。」

百合が言う

   「みんなに聞こえていたの。」

葵が言う

   「関係ないでしょ。」

亜紀が言うと、百合が

   「あなたが連れてきたんでしょ、関係

    ないて何なのよ。」

声を荒げると亜紀は

   「悪かったわよ、私が一番最初なんだ

    から私に何か起これば分かるでし

    ょ。」

   「無責任よ。」

百合は食い下がる。

   「百合、落ち着いて、まだなんかわか

    らないんだから。」

葵がなだめる。

   「どうしたらいいの。」

早紀は涙目である。

 4人は家の中から出ることにする。

 もう時間は11時近かった。

 彼女らは1時間近く赤壁の家の中にいたことになる。

 4人は順番を確かめる。

 亜紀、早紀、百合、葵の順である。

 この時、4人には何が起きるのか全く分からない。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る