おまけの章

グレープフルーツゼリー

第13話

グレープフルーツが好きだ。


シャッキリ目が覚めるような独特な爽やかさ。


甘い味付けは子供っぽくなるものだが、グレープフルーツならワケが違う。


あの独特な苦味のせいだろうか。 少しのことには目を瞑れる。


ベタベタしたジュースは嫌いなのに、グレープフルーツジュースは許せるのだ。


そんな私の夢のスイーツはグレープフルーツゼリー。


つややかでキラキラしたゼリーを皮の器に入れたもの。


乙女心をくすぐるシチュエーションだ。(私にだって乙女心はある)


某デパ地下にある和菓子屋のスイーツに夏蜜柑ゼリーというのがある。


グレープフルーツの皮とは違い、濃い橙色は愛らしい。


食べてみたくて、でも値段に二の足を踏んで、ガラスケースをいつも見ていた。 


季節も終わりかけた頃、一大決心をして買いに行った。


しかし、夏蜜柑は終わっていて、代わりにグレープフルーツを出していた。


ちょっと執着があったんだけど…


頭を切り替えプロのグレープフルーツゼリーを味わってみることにした。


私のとは違い、皮は丸ごと使用でさらにかわいい。 もちろん少し小ぶりだ。


てっぺんに小さく空いた穴からスプーンですくってたべる。



んー‥‥‥これは惜しいやつだ。

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