異国情緒を湛えるその世界。そこに息づくこの世界のあり方は綺麗だった。

-この小説について-
この小説は、
異世界x現代問題(我々に問いかけてるようにも見える)
を扱う最近の異世界ものと違い一風変わった作品だ。


-細部について-
作者の書き方が素晴らしい。もちろんのことだがそこに人が息づくものを感じる。緻密に練られ細部までまるでアートのようにあしらわれた表現がキャラたちをより引き立て生き生きとさせている。また、こういった作品の人に何を伝えたいのかはあまり伝わりずらい物が多いが、この作品はその点でも抜かりはない。読めば読むほど面白さを増し拍車をかけていくストーリー。いつしか心は掌握されていて気がつけば虜だ。そして、読んでいるうちに百人百様の振り返りやこういうことが伝えたいのだろうか?と気づけるのではなかろうか。小説のストーリー性としても素晴らしく細部まで意匠の施された剣や服のように見るもの魅了し、そして、同時にストーリーの深さにより厚みを加えている。こうした表現のした小説にもっと早く出会いたかったものだ。


-ストーリーについて-
ここではネタバレを避け、感想だけ書かせていただくが、とても重厚なストーリー。見応え抜群な上にまだまだ更新がされていくようだ。見逃せる訳あるまい。是非皆様もご一読頂けるとこの良さに気づけるだろう。


-この作品のタイプについて-
主に創作物、いや、小説やアニメなどストーリー性を持たせたものにはいつくかのタイプがあると私は考えている。読めば読むほど面白い、まるでかっぱえびせんのように止まらなくなる”かっぱえびせんたいぷ”。一話1話丁寧に描いているものの如何せん伝えたいことが少し見えずらい”なろう系たいぷ”。そして、読んでいるものや見ているものを一瞬にして鮮烈に惹きつけるまるで邦画のスターのような”スターたいぷ”。僕箱の中で好きなのが僕のネーミングで言わば”かっぱえびせんたいぷ”なのだ。当然1話で引きつけるものの”スタータイプ”ほど鮮烈に惹きつける訳では無い。しかし、この作者はギリギリのラインで惹き付けてくるのでいつも更新をまちわびてしまうほどの書き方をしてくる。それ位面白いのだ。一つ一つ織られた言葉が私たちを包み、そして物語の世界へと運んでくれる。もはや名作としか形容できまい。

最後に
見ているかもしれない作者様へ。
このような見応えのある作品をありがとうございます。更新を待ちわびつつ、こうなるのかなー、あーなるのかなーと、次の展開を考えております。おそらくこの度一区切りがついたことで、新しい物語へと加速していくことでしょう。焦らず”先生”のペースで筆を執ってください。そして、更新していただけますと幸いです。その作品を見て元気づけられた1ファンからとはなりますが、これからも応援してます。

そしてレビューを見てくださっている方へ。
私はあまりレビューは得意ではありません。と言いますと、小説を書くいわゆる作者側が好きでよく書く人間だからです。書くものは全部小説チックな書き方になってしまう。それでもこのレビューを見ていいなと思われましたら、ぜひ読んでいただきたい。きっといい作品と出会えるはずですよ。今後の皆様の読者ライフに幸多からんことを。

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