第48話 〆はFF!?(笑)
フィールドに出ると敵であるー。
道化の三人は連携プレーが優れていてカゲトラとライトは苦戦を強いられている。無線でやりとりをしていても動作の動きが速くて先手を打っていても突破されてしまうのである。
ジェスターが司令塔なのは解っているのだが三人の実力が拮抗しているのでバランス良く動いているのである。視界も三人がそれぞれに見ているから索敵も接敵も速く初弾で仲間達はやられていっている。
「彼等、凄いね!」
ライトは苦戦しながらも感心している。
「ホントだね!こっちの打つ手は各個撃破だけどそれもキツいな~頑張らなくちゃだね!」
カゲトラは嬉しくもある。だが、悔しさが勝っている。
「ギャフン!と言わせたいな!」
「ギャフン!か、良いね!頑張ろう!!」
カゲトラとライトは俄然やる気になっている。
布が風で揺れるタイミングや、一人がわざと見える位置に着いて他が角度を付けて射線を通す等、芸が細かい撃ち方をしてくる。
カゲトラは彼等の空気に完全に飲まれているのを何とか打開しようと思った。
スリーマンセルで前後左右を常に見ているからなるべく狭いところに誘い込まなければならない。広い場所になればなるほど彼等が有利になる。中央櫓付近のCQBが戦うのに良さそうだが逆に追い込まれる可能性もある。
カゲトラとライトは勝負に出ることにした。
いつもはライトが前に出てカゲトラがカバーする陣形だが、カゲトラが先行してCQBに入った。
“恐らく俺の動きは見られている。俺が動くのを見せておけば既にライトがCQBに入っていると錯覚を起こさせる!”
作戦は的中した。
カゲトラがCQBに入ったのを少し離れた位置から見ていたライトは道化の二人が挟み撃ちをするようにカゲトラのCQBに入るのを確認した。ライトは直ぐにCQBの外周を回り残りの一人を索敵した。
すると外周側のCQB入口付近にジェスターを確認した。まだこちらには気付いていない。
ライトはジェスターを撃ったー。
おお!ヒット!!ナイスです!
ジェスターは両手を挙げながら立ち上がった。
「やった!!こちらライト!外周側のジェスター撃破!」
「ナイス!そちら側に動くね!」
カゲトラはハンドガンに持ち替えてCQB内を索敵しながら外周側へゆっくりと進んだ。
入口付近と外側で交戦している。
「いま、クラウンと接敵、交戦中!ピエロが来る前に倒さないとだね!」
「オッケー!」
カゲトラは足早にクリアリングしながら移動、銃声が壁裏直ぐで聴こえた。クラウンのリロードに合わせてカゲトラは壁から出てクラウンに銃口を向けたー。
「わお!さすがっす!ヒット~~~!」
クラウンはカゲトラに直ぐさま気付いてシチュエーションヒットした。
「こちらカゲトラ!クラウン撃破!」
「やったね!」
「これで有利になったぞ!」
「一度合流しよう!このままCQBを出る」
「オッケー!」
クラウンの去り際に無言でグータッチした。
カゲトラとライトは7番フラッグの辺りで陣取った。
残り時間は3分ー。
数的有利になったから視界が広い場所へ誘うことにしたのだ。ピエロも不利な状況を解っているから各個撃破してくる。そしてライトは彼にとって未知数だからライトを狙ってくるだろう。
「ライト!少し下がり気味に動き回ってくれ!」
「りょ!」
ライトは索敵しながらフラッグ周辺を動き回った。
ピエロはCQB付近からライトの位置を確認して3番フラッグ方面から動いた。ライトの横をつこうと思ったのであるー。
確実に初弾ヒットできる位置まで近付いて構えたときに太股に被弾した。方向を見るとCQBからカゲトラがニヤついていた。
ヒット~!
「ピエロ撃破!」
「おお!ナイッス!」
二人が合流すると同時にカゲトラは尻を撃たれたー。
ヒット!
直ぐにライトが構えると前にフレンドリーファイアされた初心者が今度は間違えてカゲトラを撃ったのであるー。
つづく
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