第43話 SNSは飽きちゃった!
かなりバチバチに撃ち合いを楽しんでいる。
久し振りの感覚で遊べている。セーフティでは弾を込めたりガスを補充したり無言でしている事すらある。ヘルメットもシューティンググラスも取らずにカップルサバゲーマーが無言で弾込めたりしていると本気度と圧が凄いー。
ゲーム展開もいつもよりスピーディに進めている。二人のリズムを造るためである。あかりちゃんの進行に合わせていく。もしくは、あかりちゃんがバリケードに貼り付いて周囲を警戒して俺がその先のバリケードへ着いて周囲を警戒してあかりちゃんと合流、そこからあかりちゃんが再び前へ出る。ツーパターンを流れで練習している。そして、次のフラッグ戦は早々に二人ともやられてしまい喫煙所で煙草を吸えた。
「カゲトラさんとlightさんですよね?」
久し振りにその名前で声をかけられた。
「あ、はい」
「最近、SNS見ないから辞めてしまったのかと思ってました」
「飽きちゃって…やらなくなってました!」
「でも、サバゲーは毎週行ってますよ」
「そうなんですね!自分も元々千葉行っていてカゲトラさんを何度か見掛けたことあるんですよ!」
「そうなんですか!声掛けてくれたら良かったのに!」
「声掛けてましたよ」
「え!?」
「でも、かなり本気で遊んでいらしたので少し気まずかったですよ。今はこんなに気さくなんだって思いました」
「カゲトラはそんな感じだったんだね」
「そうなんですよ。近寄りがたい雰囲気でした」
「いやいや!彼盛ってるよ!俺はいつもニコニコだわ!」
久し振りに“カゲトラ”“light”と声をかけられて更にガチガチのバチバチなサバゲーに熱が入った。
lightのMP7も中古とは思えないほどに快調に動いている。立ち回りと体型に在っているのかいつも以上にフットワークが軽く見える。
俺も普段使わないMWSに魅了されてしまいガスブロが欲しくなっているー。
どちらも東京マルイだが、このガスブロの性能は凄いのひと言である。ガスブロというと不安定だったり性能が微妙だと思うのだが、この銃達は全く問題ないのである。ガスによって初速や弾道が変化してしまうとは思うのだが、134ガスと0.2グラムのBB弾で十分な性能である。
何となくガスブロは大人っぽく感じる。
激しいリコイルがありしっかり狙いを定めないと狙いがズレてしまう。落ち着いた動作をしないといけない銃だからより一層の落ち着きを持って狙撃するし弾数も少ないので初弾ヒット狙いになる。リロードも落ち着いて素早くしなければならないのである。
動作も含めてが魅力である。
真剣に真面目に全力で遊んでいると時間があっという間に過ぎていくー。
荷物を積みながら更衣室へ行ったあかりちゃんを待つー。
少しづつ空が茜色になりつつある。
オレンジとブルーのグラデーションが無限の美しさを創造している。
あかりちゃんが戻ってきて出発前に喫煙所へ。
先程、話し掛けてきた缶チューハイのタコのキャラクターみたいな顔をしているなと少し笑ってしまった。サバゲーマーあるあるで装備を取ると誰だか解らない。
「今日はありがとうございました!」
あかりちゃんは煙草の煙が彼に行かないようにしてお礼を言った。
「こちらこそです!また遊んで下さい」
「ありがとうございました!」
「あとSNSやってくださいよ~」
「気が向いたらやりますよ」
「写真撮ってもらっていいですか?」
「あ!どぞどぞ」
三人で並んでスタッフさんに写真を撮ってもらった。
俺とあかりちゃんは煙草を1本ずつ吸ってから周りの人に会釈をしながらフィールドを後にした。
SNSは全くやる気がしないから恐らくこのまま放置するであろうー。
初心者や知らない人と連携を取るときに命令調な指示は暴言に入るかも知れないから俺とあかりちゃんの間では俺が他人とコンタクトを取るようにしている。
前にあかりちゃんが周りに指示を出していたときに“あの女うるさい、好きにさせろよ、命令すんな”などSNSに書かれた事があったのである。そして、あかりちゃんの返信は「なら、お前ら邪魔すんなよ!」と呟いていた。
それ以来、他人とのコンタクトは俺が取っている。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます