第41話 ガッチガチ!バッチバチ!


 以前来たフィールドへ飛び入り参加することになった。SNSで飛び入り参加出来ますと拝見したからである。


 天気は快晴で少し汗ばむ気温、空には細かい雲が散り散りに流れている。

 あかりちゃんが更衣室へ行っている間に自販機前の席を取って荷物を降ろす。弾速チェックがいつでも出来るように用意しながら缶コーヒーを飲むー。


 参加者は70人位でセーフティは賑わっていた。

 青空に複数の雲が緩やかに流れていて気温は高いが穏やかな日である。


「なんかさぁ~」

レンジャーグリーンの装備に身を包んだあかりちゃんが戻ってきた。

「どした?」

「今日はバチバチに撃ち合いたいよね!」

「まじか!」

「最近さぁ~少し緩すぎるんだよね!もっと、何て言うか熱く本気になりたいじゃん」

「いいね!いいね!本気でやろう!俺もなんかモヤモヤしてたからガチガチで行こう」

「やったね!」

俺はナイトカモのコンシャツでODのハーフパンツスタイルである。


 そう、最近は何となく仲の良い仲間達と遊ぶことで楽しいのだが本気で遊ぶと言うことが薄れている。フェイクミリタリーが好みだったのがいつの間にかサークル活動のようになってしまっていた。

 そして、このフィールドは千葉にてソロでガチガチに本気でサバゲーしていた頃を思い出させてくれるフィールドである。


 今日の二人のテーマは連携と撃破、制圧である。索敵の情報共有、接敵からの射線確保、角度の確認、周囲の注意、二人で複数相手の撃ち合いにて動きで攪乱してからの撃破である。


 あかりちゃんはMWSを俺に渡してきた。

「カゲトラはこれ使って!」

「え?ライトは?」

「へっへっへ!!しゃーん!」

なんと、ガンバックの外側からMP7を出してきた。

「え!?いつ買ったの!」

「リサイクルショップで見つけちゃってさ!会社で調整してたの!サプは家にあった奴付けた!t1は…ごめぇん平蔵のヘソクリに手を出してしまいました!」

「えぇ!!」

「ごめぇん!」

あかりちゃんの上目遣いの猫なで声でノックアウトされて怒るよりもデレデレが勝ってしまい俺が照れてしまった。

「可愛いから許す!」

「隊長ありがとうございます」

あかりちゃんはおどけている。


 このフィールドはコンテナ型のCQBもあるので小型ライトを銃先へ付けた。グレネードは俺が2つ持つことにした。


 あかりちゃんが少し前に進み位置確保して合流、俺のグレネードにて牽制からあかりちゃんが突撃、後ろ別角度を警戒しながら合流 して進むー。

 他の参加者へ俺がコミュニケーションを取る。その間はあかりちゃんが周囲を警戒、索敵する。ゲーム内容に関わらず殲滅を作戦行動にするのであるー。


つづく

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