第33話 ほのぼの~!


 なんだかんだでー。

 なんだかんだ…この言葉を最初に言った人は天才だな、だいたい伝わる不思議な言葉である。


 俺はチャンバー、パッキン、インナーバレルを弄るようになった。海外製、主に台湾製が多いのだが日本と気候が違うのと初速の規定も国によっての違いが在るためかパッキンの材質が硬い為に日本の山間地域の冬はホップアップとバッテリーの極度な冷え込みで初速が不安定なのである。

 そこでパッキンを柔らかい物への交換を自力でやり始めたのである。気を付けないといけないのがパッキンと押しゴムの相性と初速オーバーである。環境によって理屈が通じないので色んなメーカーのゴム製品を試しているのである。


「今のところ柔らかいパッキンに少し柔らかい押しゴムがホップの効きが良いような感じがするよ。でも、初速オーバーが怖いね」

「インナーバレルを短くしたら??」

「それね!次はそれを試してみようと思ってる。精密の少し短いやつか同じ内径の短いやつかね」

「集弾性が落ちなければ良いけど…」

「そうなんだよねぇそれが心配なんだよね」

俺のちまちました作業を覗き込みながらあかりちゃんと会話している。


 SR25は40m内を射程圏にしていて射程圏には精密射撃出来るようにカスタマイズしたいと思っている。レシーライフルは30mの射程圏内でのフルオート戦用に用いている。レシーライフルはノーマルをリポバッテリー使用にしただけの状態で充分な性能で安定している。SR25はやや不安定な状態であり毎週サバゲーに行く度に満足な状態にはならないのであった。

 あかりちゃんの銃は2丁とも絶好調であり何一つ問題無い状態である。


 いつも行くフィールドは起伏のある山岳フィールドなので真っ直ぐ弾が飛ぶ距離が重要であり小枝や風の影響も受けやすく0.2㌘の弾だと散らばる率が高くなる。0.25㌘になると安定性が少し向上するから俺とあかりちゃんも0.25㌘のBB弾を使っている。


 ガスがパワーソースの銃も陽気によって性能のばらつきが多くエアーコッキングタイプが安定している。1年を通して遊んだ結果はマイナス気温用とそうでは無い用を用意する必要があると結論付けたー。


「って事で新しい銃を考えようかと思うのだが?」

「遠回しだけど説明が長い!!そして新しい銃はダメ!!今の子達が可哀想でしょ!銃がたくさんあったら使わなくなっちゃう子が出て来ちゃうからね!」

「トホホ…」

俺の軍拡は失敗に終わったのである。


 木漏れ日の中ー。

 今日も小鳥の囀りとエアーガンの発射音とヒットコールが爽やかに飛び交っている。

 少し汗ばみながら俺とあかりちゃんはヒットアピールを解りやすくをモットーに森の中をオモチャの鉄砲を持って平和的な戦争ごっこを本気で楽しんでいる。


続く

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