第31話 西へ進軍!


 このフィールドはかなりの広さがあり人数も100人を超えているから激戦である。クローラーを改造して戦車を模した乗り物もあり機関銃兵はそれに乗って突撃したり。傾斜のキツい山にはスナイパーが居たりと激しい撃ち合いが繰り広げられている。

 俺とあかりちゃんは初めてのフィールド更に見晴らしの良い戦争ごっこが初めてと言う事もあり心拍数がマックスになっていた。

「ここはヤバいな!かなり激しいわ!」

「だね!アタシは流石にフルオート使うよ!」

俺の銃はセミオートのみの7.62マガジンであるが、5.56マガジンを三本常備している仲間が弾切れになったときの為である。

「あかりちゃん!撃ちまくれ!弾はまだある!」

「サンクス!」

あかりちゃんは激しく撃ち込まれるバリケードに隠れながら正面の櫓へフルオートで対抗している。


 俺が山側に移動しようとするとモッサンが合流してきた。

「激しいわい!」

俺は山側から櫓の小窓を狙うと伝えて隣のバリケードへ移動した。あかりちゃんがリロードする間にモッサンが援護するのを繰り返している間に俺は匍匐で斜面のブッシュへ潜り込んだ。

「あかん!弾切れや!」

モッサンがあたふたしている。

「アタシもこれで最後のマガジン!」

俺はブッシュの中から予備マガジンを二人に投げた。

「あいったぁ!!」

モッサンの頭にマガジンが当たってしまった。

「ごめんなさい!!」

大きな声で謝ると櫓から機関銃で撃ち込まれた。

「ヒットーーーー!!」

そして俺は撃たれた。


 セーフティエリアでこのフィールドオリジナルのパッチを買っているとあかりちゃんとモッサンが戻ってきた。

「モッサン!ごめんなさい!」

「いやいや!格好よく受け取ろうと思うたら頭にコツンや!ワハハ!」

バンダナを巻いた頭を擦りながら笑っている。笑顔が少年のようで可愛らしいおっちゃんである。

「あの後敵に突撃されて二人ともやられちゃった!」

「今日のサバゲーは激戦だね!ラッパ吹いてる人居たしね!」

「おもろいやん!」

「ですね!ついつい突撃したくなる!」

「裏ゲームは突撃しますか!」

「いいね!開幕ダッシュはあまりしないから新鮮かも!周りがテンション高いと釣られちゃうね!」

「だね!」

次のゲームはラッパの合図で正面突撃をしてみることにしたー。


 裏ゲームは反対側のフラッグ位置だから早めにフィールドインした。バリケード地帯や櫓位置、常連さんが位置取りそうな斜面の登り口等を確認しながらスタート地点へ向かった。ゴルフ場を改装しただけありフラッグ位置はグリーンにあった。草が生い茂っているから膝丈の草原が広がっている。ヨーロッパ戦線のようなシチュエーションである。


続く

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