第28話 トゥルーにロマンス

 あかりちゃんと並んでアウトポストを見ながらポテトチップスを食べてコーラを飲んでいる。


 映画を観たり、昔の戦争の逸話を読んで感動したり、各国の特殊部隊の装備を見て憧れてみたり、あの銃この銃とか話したりサバゲーユーチューバーの動画みて喜んだりとそんな平和な時間を共有している。


 普通の生活に疲れているのかもしれないー。


 普通なら結婚したり家買ったり子供作ったりなのだろうけども二人の時間が楽しい方が魅力的な生き方だと思っている。他人の目線を気にすることも無く共通の趣味の中で生きる道を手を繋いで歩いている。


 二人はかなりの頻度でサバゲーに行っているから銃の故障も少なくない。カスタムはインナーバレルとパッキンを変えている位であるが使用頻度でタペットやセレクターがへたりやすい。半年に一度はオーバーホールしている。メカボックス内は洗浄とグリスアップしか依頼しない。光学機器はレプリカを使っている。俺はサークルタイプのレティクルが好みでレシーライフルにはホロサイトとマグニファイアを乗せている。あかりちゃんは点ドットが好みでロメオ5を単独で乗せている。

 二人とも10m位でゼロインしている。俺のSR25はスコープを2.5倍位の位置で25mの缶コーヒーの底を狙えるようにしている。風の影響が在るときは銃を傾けて撃つようにしている。


 体調も良好、銃の調子も快調、安定したサバゲーライフである。


 いつものフィールドにはいつもの常連客に新規客もいて三十人位は来ているだろう。

 席は一番端っこの不便な所に荷物を運んだ。他のお客さんに便利な場所を譲るのである。

 今日はへリコンテックスのチェストリグにパーカー、バイパーのマルチカムパンツ、俺はブーニーハットであかりちゃんはキャップ、お揃いのアフガンストールを首回りに巻く、靴はモンベルのライトな登山靴を履いている。ファーストラインはバラバラなメーカーである。ウォーリアアサルトのホルスターは前から使っているが銃が抜きにくいのと銃口が剥き出しになるのが難点である。しかし、コンパクトで使い勝手が良い。

 銃は海外製SR25と東京マルイm3スーパー90、co2m9と東京マルイp226e2。あかりちゃんは海外製SR15と東京マルイ次世代urg-I、co2m17東京マルイp226e2である。BB弾は長物には0.25㌘を使っていてハンドガンは0.20㌘を使っている。


 いつも通りー。

 フィールドに射し込む木漏れ日の中に小鳥が飛んでいて青空に流れる雲が緩やかである。

 攻撃的な姿で究極の平和な遊びに今日も勤しむー。


 フェイクの中で本気になって生きてて鼓動の脈動を心底楽しんでいる。

 お互いの“何か”を互いに感じ取っているから何も知らなくても安心出来ている。いつも見てるし見られてる。距離感も精度も視線も共有出来ている。


 不動の境地である。

 そして、ロマンスとはこういう事であろうー。


続く

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