第26話 至福の赤い跡
全国のサバゲーマーの間で有名な交差点で将太達と待ち合わせした。待っている間にデフォルトの鯛焼きを食べた。今日は二人とも餡子である。
「八時までに取りに行くってお店には連絡してあるよ」
「ワクワクするね!久し振りの新しい銃だぁ!」
「アタシも二丁めだ!あのリコイルがアタシの手に!!セミロックが嫌だからSBDとリポ化カスタムもお願いしちゃった!」
「いいね!それしておくとセミロックが気にならない程度になるね!バッテリー切れてくるとするようになるけど小まめにバッテリー交換しておけば良いしね!」
将太達と合流してから慣れた足取りで御徒町へ歩いた。
注文していた銃を受け取っている間は将太達は店内を見て回っていた。
レジの隣のスペースで注文の品を開封して店員に説明を受けた。
ホップアップの札の着いた銃をあかりちゃんはウルウルしながら手に取った。
「おお!格好いい!!」
「いいね!ハンドガードも細めで握りやすいよ!」
あかりちゃんは構えながら感動している。
俺も初めての海外メーカーの銃を持って剛性と重さに大満足である。これで性能が東京マルイM14と同じくらいなら問題ないのである。推奨は11vらしいのだが翌々揃えていこうと思っているしばらくは7.4vで使う予定である。そしてco2ガスハンドガンも説明を受けてその他の予備弾倉を袋に入れてもらい会計をした。
「高い買い物だけどめっちゃ嬉しいね!」
「うん!ありがとう!」
「今からでもサバゲー行きたいわ!」
「だね!さっき行ってきたばかりなのにもう行きたい!」
店員も笑っている。
それから大量の荷物をホテルに置きに行ってから将太達とガード下の居酒屋へ入った。
「楽しかったわ~!」
「だいぶ上手になっててビビったわ!」
「しかし、叔父さんが“カゲトラ氏”であかりさんが“light氏”だったとわ!」
「知ってたの?」
「ミクから聞いててお手本にしてたんだよ」
「そうだったんだ!」
そんな会話の中ビールで乾杯した。将太からミクちゃんとの馴れ初めなどを聞きながらその時間を楽しんだ。
それから四人でサバゲー話で盛り上がってからホテルの前で別れた。
部屋に入りあかりちゃんが抱き付いてきた。
俺も抱き締めたー。
二人でシャワーを浴びながら身体のあちこちに出来た赤い点を見ては“あの時のだ!”“ここはあそこだ!”“ここは櫓のスナイパーから撃たれた後!”と話ながら身体を洗っている。
「あ!お尻にくっきり残ってるよ!」
俺のお尻を見ながらあかりちゃんがまたツボった。
ミクちゃんに撃たれたお尻の跡を指差していた。
シャワーを出るとあかりちゃんは髪の毛を乾かすのも後回しにしてurg-Iの箱を開け始めた。
「おいおい!」
「だってじっくり愛でたいじゃん!」
新しい銃を持ってベッドの上ではしゃぐあかりちゃんの髪を俺は後からドライヤーで乾かしてあげた。
嬉しそうな姿を見て俺も嬉しくなったー。
平日は仕事をして普通に生活をしている。
週末はサバゲー三昧であることは変わらないが一番近くに居る人と同じ時間を共有していることが何よりの幸福を感じるのである。有名になりたいわけでもなく金持ちになりたいわけでもなく豪勢な生活をしたいわけでも無いが今が最高に贅沢をしていると思う。
目の前でホテルのガウンを着てurg-Iを構えて微笑んでる人が俺に最高の至福を与えてくれている。
続く
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