第24話 デルタな二人!

 俺は将太をサバゲーに誘ってみた。


「お久しぶりっす!」

「サバゲー行こうぜ!」

「いつですか?」

「明日か明後日」

「へっへっへ!実は明日に友達と行くんです!」

「マジか!どこ?」

「印西市の連れて行ってくれた所です!」

「一緒じゃん!」

「まじですか!じゃあ現地で合流でもいいですか?」

「もちろん!彼女も一緒だから紹介するね!」

「彼女出来たんですか?」

「うん!」

「へっへっへ!実は俺もっす!」

「おお!素晴らしい!では!現地で会おう」

甥っ子はあれから平日に仲間とサバゲーに行ったり都内のCQBで遊んで経験を積んできたらしい。


「甥っ子さんに会えるんだね!」

「うん!」

「アタシの命の恩人だ!」

「なんでだ!」

「だって甥っ子さんが平蔵を誘わなかったら出逢えてなかったでしょ?」

「確かにね~不思議だね」

コーヒーを飲みながら見つめ合って……吹き出した。

「なんで笑うの!そこはキスしてくれる場面でしょ!」

「だって!ほっぺにチョコ着いてるよ!」

俺はツボった。


 幸せな時間とはこういう事だ…いや個人差があるから一概には言えない。撤回する。いや、このままにしておこうー。


 まだ暗い時間に出発する。もう慣れたもので高速道路入口近くのコンビニで暖かいコーヒーとお菓子を買って高速へー。


 東京方面へ走り出す。

 大型車のテールライトを見ながら「ご苦労さま」と呟く。

 八王子を越えて府中辺りで朝陽が空を染め始めた。市街地に広く見える空は美しいオレンジとブルーのグラデーションを描いている。

「綺麗な空だね」

ワイリーエックスのサングラス越しに空を見渡してあかりちゃんが呟いた。


 東関東自動車道から見る葛西の観覧車とディズニーはいつもと変わらずに“デデン!”と聳えていた。


 いつも立ち寄るパーキングのスタバも開いてる。


 高速を降りてフィールド方面のローソンもいつもと変わらないが隣のワゴン車から迷彩服を着た同年代の四人組がわいわいしながら買い物していた。


“迷彩服を着たままフィールド以外でウロウロしちゃダメだなぁ”


 そんな事を思いながら車に戻った。

「隣の人達みた?」

「うん!」

「迷彩服着たまま買い物とかダメだよね!」

「だね!だけど個人の感覚だから放っておけばいいさ!まぁ仲良くはなれないな!」

「そだね~」

「ぷっ!カーリング…」

「え?」

俺はクリームパンをかじりながら車を発進させた。


 こうして彼女とサバゲーに行ってるなんて!なんて夢のようなんだと改めて思うのであったー。


 駐車場で荷物を準備していると


「おじさん!おはよう」

振り返るとブラックホークダウンのデルタが二人で立っていた。

「将太!」

「この装備どう??」

「格好いいな!がっつりサバゲーマーじゃないか!」

「あれから平日に有休使ったりしてサバゲーやってたんだよ~!映画で研究してこの装備揃えた!」

将太の隣のデルタは小さくて可愛らしい容姿をしていた。

「こんにちは!初めましてミクです」

「初めまして~!将太のお母さんの弟の叔父さんです!こちらは将太のお母さんの弟の叔父さんの彼女のあかりちゃんです」

「初めまして~あかりです!」

ミクちゃんはあかりちゃんのイスラエル特殊部隊装備を見て目が輝いている。

 俺は日本人体型でスマートな装備が似合わないから上はアーミーグリーンの装備で少し太めのマルチカムのズボンを履いている。

「二人とも格好いいですね」

ミクちゃんがいった。


 俺達は顔を合わせて照れた。


 四人で自販機の近くの席を取って銃を用意していると

「やっぱM14良いよなぁ」

「性能は抜群だけど重くて嫌がられるよ」

将太は933を二丁並べながら俺のM14を眺めている。

「長くて重いのが良いんだよ~」

「使ってみるか?」

「良いの?」

「もちろん良いよ」

「やった!」

「将ちゃん欲しがってたやつだね!」

ミクちゃんは将太の喜んでるのを喜んでいる。

 若い子が二人で喜んでるのを見て微笑ましかった。


続く


※サバゲーに行くときはなるべく着替えを持って迷彩服等周りを威嚇するような格好で一般的なお店や場所へ行くのは控えましょう。周りの人を不愉快な気持ちにさせるのは良くありません。

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