第12話 あ!見つけてしまった!

 アタシはさっきのカゲトラさんを探してセーフティエリアをウロウロしていた。

「人が多すぎて見つからない!」

御手洗近くのシューティングレンジへ行くとカゲトラさんが居た。

「あ!さっきはありがとうございました!」

「あ!フラッグゲットできましたね!おめでと!」

「すっごく気持ちよかったです!」

カゲトラさんは鉄砲を2本持っていた。

「これゼロインしてて、こっちはショットガンね」

「ゼロイン?」

「ホロサイトのレティクルに弾がちゃんと飛ぶように調整するの」

「ほう!」

「その感じだと解らないでしょ?」

「全くです!」

カゲトラさんは鉄砲を渡してきた。

「あの20メートルって書いてある的に窓の中の赤い丸を合わせて撃ってみて!ストックにほっぺを乗せて脇を締めて両目を開けてね!」

アタシは言われるがままに撃った。


カシャン!“カンッ!”

鉄砲の反動が凄かった。


「おお!?」

「ね!」

「反動が!?」

「リコイルショックって言うのが付いてるの迫力あるでしょ?」

「はい!かっこええ!」

「クセになるよ」

カゲトラさんはもう一つをガシャッとして渡してくれた。

「これはなんもついてないけど3発出るよ。15メートルを狙ってみて」


“バンッ!”


「おお!3つ!?」

「これはエアーコッキングのショットガンね!楽しいでしょ?」

「すごいですね!」

「次はショットガンでいく!」

「良いですね!」

そうこうしているうちに次のゲームの案内があった。

アタシは慌てて席に戻ったがアタシの荷物以外は無くなっていた。

「どうしよ!」

カゲトラさんの席は1番駐車場寄りにあってアタシは取りあえずカゲトラさんの席に自分の荷物を運んでフィールドに入った。

 何故か仲間の集まる中でカゲトラさんを探していた。

「そういえばずっとフェイスマスクしてるけど熱くないの?」

カゲトラさんが後ろから話し掛けてきた。

「あ!どうりで視界が薄暗いと思ってたんです」

「安全だから良いと思うけどセーフティエリアは取って大丈夫だよ。しかも、鉄砲は?」

「あ!忘れてきた!」

「もう戻れないからハンドガン貸してあげるよ」

カゲトラさんは太股に付けた鉄砲を渡してくれた。

「ありがとうございます!なにからなにまで!」

「なにからなにまでほどは面倒見てないからね」

「すみません…」

借りたけどこれはどうやって撃つのだろうか……。


 セミオートフラッグ戦裏ゲームー。


 凛子達は敵になったみたいでこっちの赤チームには居なかった。始まってもどうすればいいのか解らずに取りあえずカゲトラさんに付いていくことにした。

 少し離れた位置からカゲトラさんを見ていると周りの人達と会話しながら前に前に進んでいる。後ろを追い掛けているとストーカーになった気分である。バレないように近づくとカゲトラさんが狙いを定めている。狙っているのは凛子であった。


「撃て!!」

心の中で叫んだ。


「ヒット~~!」

凛子はお尻を押さえながら去って行った。

「ビックリしたぁ!!」

カゲトラさんが振り返りながら慌てていた。

「耳元で撃て!!って言うから思わず撃ってしまったよ」

「え?声に出てました?」

「めっちゃデカい声だったよ!」

パチッ!!

「あ!?ヒットーーーー!!」

そんな会話をしているとカゲトラさんが撃たれてしまった。

「あ!ごめんなさい!ごめんなさい!」

カゲトラさんは笑って鉄砲を振りながらフィールドから出て行ってしまった。


続く


※フレンドリーファイア


仲間を撃ってしまうこと、フィールドによって違うのだが2人ともヒットか撃たれた方だけがヒットか…フィールドに確認が必要。

フレンドリーファイアしてしまったときの対処はカントリーマアムをあげて謝ると大概許してもらえるぞ!

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