第2話

俺、フラム=ソールは転生者である、それは転生した瞬間から分かっていた、だが…前世の記憶を思い出せない。


俺の前世での名前は?

前世で働いていた職場は?

住んでいた場所は?


一切分からない、だからだろうか、俺は元の世界に帰りたいとは思わない、思えないのだ。


これがいい事かは分からないが…

とにかく俺はこの世界で生きていく事に決めたのだ


この世界で親の跡を継ぐのも悪くないと思っている


…だからさっきから延々と俺をぺちぺちしてくるこの赤ん坊を止めてくれないか?


頑張って魔力で体を覆えるようになったから痛くは無いけどさっきからぺちぺちしてくるのが顔だから怖いんだよ…


何故か体が硬いのが気になるのは分かる、だがな?顔はやめろ顔は、割と怖いんだよ…いやマジで。


つーかよく飽きねぇなお前もずーっとぺちぺちしてたら飽きるだろ普通。


呆れた顔したのは悪かったからやめろ!

ぺちぺちを速くすんな!


あと、コイツ誰だよ!

いや多分友人の赤ちゃんなんだろうけどさぁ!


止めろよ!同じ赤ん坊でも顔を叩いてたら止めろ!

何を思って顔面にパンチ食らってる赤子を放置してんだ!


くそぅ…ハッ!

出来ればやりたく無かったが…


俺は生後数ヶ月、まだ歩くには早い時期だ。

だが!俺は歩ける!それどころか走れる!


なんせこの動かない体を必死に動かして筋トレをしたからな!


まぁ、別に筋トレしてなくても魔力のお陰で立てるんですけどね。


さぁ、走る俺に着いて来れるかな?

はっはっは…


父上ぇ!まだ俺が歩ける事も知らない父上ぇ!

まずい、父上の前で歩く訳には…


クソッ!後ろからもぺちぺちの悪魔がハイハイで追って来ている…!


どうする…?

ハッ!今なら走ってもバレない!行けぇぇぇ!


「ダリルが走ったぁ!?」

「あなた?ふざけて無いで…ダリルが立ってる!」


母上にもバレたぁ!

やべぇ、やべぇぞ…!


俺の平穏な人生が…!

ぺちぺちの悪魔のせいで…!


「あなた!フラムは天才よ!」

「ああ!この子は間違いなく天才だ!」


さようなら俺の平穏、でも俺はまだリカバリー諦めてないからな?


あとぺちぺち野郎は許さん。

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防御魔法で成り上がる!〜転生したけど死にたくないから防御魔法を極める〜 龍百 @ryu_100

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