いきなりメインヒロイン登場じゃだめですか?
学校に着き、クラス発表の張り紙の前に来た。
「えっと一年一組から…」
灯は食いつくように張り紙を見つめる。
「あ!あった!同じクラスだよ智樹!!」
灯は、俺の両手を握りぴょんぴょん飛び跳ねた。
「灯!落ち着けって、皆見てるぞ」
「あ、ほんとだ…お騒がせしました~」
灯はペコっと皆に謝り足早に俺を連れて教室へ向かった。
「席はねぇ…出席番号順だって」
「じゃあいつもの灯の後ろか」
いつもって言えるのは、俺は
それと席が後ろなのも灯の苗字は水月(みなつき)で、俺の苗字が湊(みなと)だからだ。
「はーい席つけぇ!」
少し強面の女教師が入ってきた。
「今日は入学式だ!」
そして、かなり美形の体育会系の女教師から入学式の説明を受けた。
「じゃ、移動しろぉ」
体育館に着いた。そこで長い長い校長の話を聞き流した。
やっとのことで終わりを迎え、教室に戻る。
「じゃあ自己紹介してもらうか」
自己紹介は別に嫌いではない、普段関わらない人の趣味が知れるし。
「じゃあ出席番号一番…と言いたいんだけ、それだとつまらないから最後からいこか」
「「なんだと」」
俺と灯りは思わず声に出てしまった。
「北中出身、
多分ハ〇ヒの自己紹介構文を言おうとして恥ずかしくなったパターンだな。
「武藤っス!北中から来ました趣味はスポーツっス、よろしくっス」
如何にも体育系といったスポーツ刈りの生徒だ。
「いよいよ俺か…」
「湊智樹で、南中出身です、どうぞよろしく」
どうにか無難にやり過ごしたぞ…。あぁ緊張した。
「水月灯です!南中出身!好きなものは辛い物と熱い風呂ですよろしく~」
そこからは特に気を引かれるような自己紹介集はなかった。しかし、一つ目に留まる…耳に留まる自己紹介があった。
「
登校時に見かけた芸能人風の美人さんだ。いやぁ眼福眼福、ありがたやぁ。
美人だなとか思いながら、佐々木さんを見つめていると、彼女は振り返り、俺の方を見てウインクした。ファンサが凄い…。
そんな彼女を見つめ、暫く呆けていると、灯が俺の目の前で手を振った。
「うぉ、ビックリしたー。なんだ灯か…」
「なんだとはなんだ!もうHRも終わったよ。一緒に帰ろ?」
「そうだな」
そう言って帰る支度をするって言っても鞄をしょうだけなんだけどね。
「湊…君?」
可愛らしい声が俺のことを呼んだ。
「ん?」
振り返るとそこには佐々木さんがいた。
「これ落したよ」
彼女の手には俺の好きなアニメのストラップが握られていた。どうやら知らぬ間に落としたみたいだ。
「ありがとう…それじゃ」
そう言い残して立ち去ろうとしたが彼女が俺の裾を掴んで引き留めた。
「私もこのアニメ好きなんだ!仲間だね」
屈託のない笑顔がまぶしすぎる…。
「いやぁ、このアニメ認知度低いから、知っている人に出会えてよかったよ」
しかも、こんなに可愛い子がオタク女子なんて最高にハッピー。
「もう少し語りたいから連絡先交換しよ?」
「いいよこれQRね」
入学早々女友達ができたマンモスうれぴー。
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