第11話 パフェぱくぱくですわ〜!
「あ、起きたっすね」店員は気づく。
「よかった。おはよう、調子は大丈夫?」
スバルはゆっくりと首を動かし視線を漂わせる。そして「はら……ぺこですわ……」ふるふるとふるえながら、か細い声をだす。
「そっか、瀕死だものね。なにか食べ物を……あ、ちょうどいいところに、ユニ」とエムリアは従者に声をかける。
「ふぁい?」ドナドナパフェに夢中だったユニはスプーンを咥えなから答える。口元に少しクリームがくっついている。
「この子にパフェわけてあげて」
「え〜」とユニは口をへの字にする。
「嫌がらないの。この子死にそうなんだから……」
「わかりましたよ〜」とユニはドナドナをナイフで一口サイズに切り、クリームを乗せてスバルの口に持っていく。
「わぁ……おいしそうですわ……」はむっとスバルは早速ぱくつく。あむあむと堪能する。
しゃっきん。いままで半目だった瞳がぱっちりとひらき、顔色に生気がもどる。
「うめぇですわ〜! もっとくださいまし〜」と足をぱたぱたさせてロリスバルは喜ぶ。
「もう一口……あげてあげて」エムリアは言う。
「はい」とユニはもうひとかけら差し出す。さっきより少し大きい。
「うめ……うめ……」にこにことスバルはほおばる。
「いいぞ、いっぱい食え……! おかわりもあるよ……!」ユニはそういいつつさらにかけらを差し出す。
「……いいの? ユニ、貴方の分なくなるわよ」エムリアは
少し心配する。
「いいんです。この子、とっても美味しそうに食べてくれるからかわいくて……」でれでれとユニはほっぺをゆるませていた。
スバルのHP表記が「120/1700 HP」に変わっていた。そして身体もいつの間にか大きくなり9、10才ほどの少女になっていた。
「……う、少し重くなってきたわね。ちょっと降りてもらえる?」よいしょ、とエムリアはスバルの脇を掴んで降ろし、ユニとの間に座らせる。
「足りないですわ〜。おねえさま、もっと、もっとくださいまし〜」ユニの袖をくいくいとひっぱりスバルはおねだりする。
「おっ、おねえさま……かぁいいねぇ、お嬢ちゃん……。じゃあもう、全部あげちゃう。はいナイフとフォーク!」ユニはスバルの目の前にドナドナパフェの乗った皿を寄せる。
「やったですわ! ありがとうございますわ〜!」と満面の笑みを浮かべ、スバルは喜び、早速ぱくつきはじめる。
「そういえば、貴方の名前……スバルさんというの?」エムリアはさっきへティアがちらと言っていたのを思い出す。
「そうですわ! わたくし、ナツガミ・スバルといいますの〜! ぱくぱくと食べ続けながら器用に話す。
「なるほど。あ、私はエムリアよ。エムリア・スカレットというの。そっちは従者のユニ」
「ユニです〜。あ、エムリア様はここら一帯の領主のひとり娘……お嬢様なんですよ〜」
「こ、こら。勝手に紹介しないの……」
「奇遇ですわね! 私もお嬢様ですわ〜! 世界をまたにかける企業、夏神家のひとり娘ですわ!」スバルは胸を張って答える。
「夏神家……初めて聞く名前ね」エムリアはつぶやく。
「まあ知らないのも無理ありませんわね……わたくし転生してきましたから〜」
「てん、せい?」ユニは首をかしげる。
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