PM:11時
ついにやったんだ。僕は布団に入ってからも体の中にある高揚感に浸っていた。そのせいなのかなかなか寝付けず、時計が秒針を数える「チッチッチッチッ」という規則性のある音だけが、静かな寝室に妙に響いた。しばらくその音に聞き入っていると、時計の長針が夜の11時を刺した。そのとたん、「ボーン、ボーン」という大きくて重い音がした。おかしい。この大時計は朝の7時に僕が設定した以外は鳴らないはずなのに。それに、どうしてこんなにも時計の音が苦しく聞こえるのだろう。頭が痛い。肺が苦しい。僕の体の中のもの全て持って行かれてしまいそうだ。
助けてくれっ、声にならない叫びをあげた。「僕の体をっ、持って行かないでっ。」
そのとたん、僕を締め付けていた何かから解放された。その反動で、疲れがどっと押し寄せてきた。僕は考える暇もなく、眠りについたのだった。
続きます。 by酸性雨
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