day3

第40話餓死させる気?


ジリリリリ……


「……うっせぇ」


目覚まし君が鳴ったと同時。


俺はノータイムでバンッと時計を叩いて、黙らせた。


――5:25


「……しゃあ」


へへッ……昨日みたいねヘマはしねーよ。


……さすがに2日連続は……なぁ……。


セーフ、セーフ。


そう自分にツッコミを入れつつ、俺は昨日とは違って、ヨユーを持って身体を起こし、カーテンを勢いよく開けた。


――瞬間、降り注ぐ太陽の光。


「……あー、あったけぇ……」


太陽様様だな。


全身にこれでもかというぐらいに自然エネルギーを浴びた俺。


パジャマの姿のまま、朝飯を作るべく、紅葉を起こさないように、差し足忍び足でリビングに向かう。






☆★☆



……って思ってたんだけどな―。……リビングに電気ついてらぁ……。


消灯したはずのリビングから光が僅かながらに漏れている。


なんでだ?


リビングに入るや否や、俺の目に飛び込んできた光景――。


スーツに身を包んだままの母さん。


ダイニングテーブルの椅子にふにゃっと全身の力が抜けきったかのようにもたれ、ボーっとしていたが、俺が起きてきたことを確認すると、


「あ、おはよう!……ミックン。待ってた。お腹すいてるの。……何でもいいから何か作ってぇ……」


ぐぅぅぅぅというおまけ付きで、俺に飯の催促をする母さん。


……てか、ゴミ箱から缶ビールが何本か顔を覗かせてるんだが……。


「か、母さん。いつ帰ったんだよ……。てっきり明日帰ってくるって思ってたのに……」


出張で明日帰ってくるって思ってたのに、何でいるんだよ。


「……はやくぅ……。母さん餓死しちゃってもいいのぉ?」


だが、そんな俺の疑問をよそに、飢えた目(つーか血走ってね?)で再度催促してくる母さん。


「……ぅ。……へいへい」


仕方がないので、俺は先に母さんの分まで朝飯の支度をすることにした。

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