第2話

僕は謝らなかった

「サラもヤタおばさんも知らない」

水汲み桶も2人も置いて僕は全力で走り出した

ハァハァと息が早くなり足は絡まり鼓動が跳ね訳も分からず駆け抜けた


畑を通り過ぎて森も通り過ぎて

赤い屋根がある僕の家に着く

おばあちゃんが箒で玄関を履いている

「ラルク坊やどうしたんだい?」

それを無視してサラと僕の机が並ぶ部屋に飛び込んだ

お小遣いを貯めた金貨誕生日に貰った牛の胃の水筒、洋紙、黒炭のえんぴつに乾いたパンを詰め込んだ

いつもの着替えは乾いてない

麻のシャツに茶色のサロペット革靴

魔法は大して使えないけど魔法の杖も大切に入れた

「おーい、何かあったのかい」

下からおばあちゃんが呼んでいる

階段をだんだん鳴らし僕はおばあちゃんと向かい合った

「僕はこの家を出ていく」

「あら?そうかい。でいつ帰るんだい」

「違うよ!もう帰らないんだよ!」

「うんうん。気をつけて行くんだよ」

おばあちゃんはボケているのか聞いていないのかよく分からない返答をした


「もういいよ」

僕は吐き捨てて毎日歩いて来た道と逆へ歩き出した

初めての道が目の前に広がりワクワクしていた

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